1995 Fiscal Year Annual Research Report
鋳造法との複合化による製品内面への耐摩耗硬質溶射皮膜の固定化技術
Project/Area Number |
06650136
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Research Institution | SHINSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
清水 保雄 信州大学, 工学部, 教授 (20142284)
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Keywords | 表面処理 / 内面溶射 / 皮膜の固定化 / 溶射・鋳造複合技術 / 高速フレーム溶射 / 中子 / 耐摩耗皮膜 / WC-12%Co皮膜 |
Research Abstract |
製品に設けられた狭い孔の内面への皮膜形成が困難な溶射法の限界を克服することを目的とし,溶射と鋳造の複合加工技術を応用する実験的研究がなされた.鋳造製品の孔内面への皮膜固定法として,予めその外表面へ所望の皮膜を溶射法によって形成した中子を準備し,それを鋳型に組込み,最終段階で鋳造品から同中子を除去し,製品の孔内面に耐摩耗硬質皮膜を残留させる溶射/鋳造複合化技術が考案,検討された. 実験では先ず,高速フレーム溶射装置へ多量の燃料を液化させずに安定供給するために電子制御流量計を組込む改修を行い,以後,WC-12%Co皮膜の固定化に関し検討を行い,以下の結果を得た. 1.高速フレーム溶射法により形成されたWC-12%Co皮膜は硬度Hv900以上を有し,アルミニウム合金鋳造製品の耐摩耗化に極めて有効である. 2.レジンコーテッドサンド中子は,塑性変形能が小さいため,WC-12%Co粉末を直接溶射し成膜させることは困難であったが,予め,それにアルミニウム合金を汎用フレーム溶射により被覆処理すれば高速フレーム溶射の適用が可能となった. 3.WC-12%Co溶射皮膜とAC4B鋳造製品とのせん断接合強度は5〜10MPaであったが,WC-12%Co皮膜へのNi-10%Alの積層溶射,鋳型の余熱温度の上昇およびNi-10%Al積層皮膜表面への凹凸加工の実施により,それは10〜20Mpaに改善された. 4.積層溶射材料として用いたZn及びCu-10%Alは接合性を向上させないこと,また,溶体化熱処理に対応して設定した真空熱処理も溶射皮膜とAC4B鋳造部材との拡散合金化反応を生じさせるには至らず,溶射皮膜とAC4B鋳造材との接合性の改善に有効でないことが判った.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 清水保雄,眞谷博敏,合田祥昭: "製品孔内面への溶射皮膜の固定化" 日本金属学会北陸信越支部・日本鉄鋼協会北陸支部 平成7年度連合講演会概要集. 85-86 (1995)
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[Publications] 清水保雄,眞谷博敏,合田祥昭: "高速フレーム溶射皮膜と鋳造基材との接合" 日本機械学会北陸信越支部第33期講演会講演論文集. No.967-1. 119-120 (1996)