1994 Fiscal Year Annual Research Report
コロイドプロセスによるセラミックス最終形状機械部品の制作
Project/Area Number |
06650146
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
黒木 英憲 広島大学, 工学部, 教授 (80037853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 俊造 広島大学, 工学部, 助手 (40136130)
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Keywords | セラミックス / ナノメーター / ジルコニア / コロイド(泥漿) / 遠心力 / ビッカース硬度 / 破壊靱性値 |
Research Abstract |
ナノメーター粉(粒径10nmオーダー)の固化成形法を開発し,結晶が著しく微細で高相対密度かつ均質な組織を有するセラミックス材料を製造することを目的として実験した. 原料粉には,平均一次粒子径22nmの部分安定化ジルコニア(3mol%Y_2O_3)を使用し,ボールミルを用いて分散してコロイド(泥漿)を作製した.このコロイドを用いて超遠心機により,4×10^4〜1.4×10^5Gの遠心力で成形した.成形体は乾燥後,大気炉で1000〜1300℃で2時間焼成し,焼成体の相対密度,ビッカース硬度,破壊靱性値を測定してその機械的性質を評価した. その結果,以下のことが明らかになった. 1.従来は成形が困難であったナノメーター粉を,そのコロイドを用いて7×10^4G以上の遠心力で遠心成形することで成形が可能である. 2.成形体の粒子充填率は,ナノオーダーの原料粉としては50〜51%と高く,従来より200℃以上低い温度の1100℃で相対密度99%以上の焼成が可能である. 3.焼成体の結晶粒子の平均径は,80nm(1100℃)〜150nm(1300℃)であり,非常に微細な組織の焼成体が得られる. 4.ビッカース硬度及び破壊靱性値は,1100〜1300℃の焼成温度範囲では,ほぼ一定の値(Hv=1200〜1300,Kc=5.5〜5.8MPa/m^<1/2>)を示した.
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