1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650147
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
石松 隆和 長崎大学, 工学部, 教授 (10117062)
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Keywords | 3次元造形 / 溶造 / アーク溶接 / 産業ロボット / 積層 / 自動化 / CAD / CAM |
Research Abstract |
本年度には、アーク溶接を利用した3次元造形に関して次の知見が得られた。 1.アーク溶接の際のアークの積層方法について、各種の条件下で実験を行った。その結果、アーク溶接用ト-チを動かすのみでは、重力の影響で、急勾配の面が造形できない。しかし、そのような場合には、ワーク(アークを積層する板)を動かすことにより造形が可能となる。 2.産業用ロボットを使って、溶接ワークを動かすことが極めて効果的である。その際、溶接ト-チとワークとの相対的な動きが目的とする形状を形作る必要があること、またト-チとワークとの相対速度が目的とする速度になることが必要で2台のロボットのための協調動作制御方式が、有効に利用できることが明らかとなった。 3.円形断面を持つ対象物の造形には、産業用ロボットと専用の回転台を用いることが有効であった。 4.溶接熱には十分な注意が必要である。熱の影響を考慮した専用の回転台を製作した。また、風を送ることにより熱の影響をが、容易に押さえられるこが明らかとなった。 5.微細加工の可能性を探るために、静電加工と同様に絶縁オイル中での積層を試みた。溶接電流の制御により、微細な加工が可能でないかとの結果が得られた。平成7年度の研究により、微細加工についての、より掘下げた取り組みを行う。 6.3次元造形用の専用溶接電源の設計と試作を行った。本電源は、日立製のRISCプロセッサを利用して作るもので、溶接電流と電圧、周波数さらに交流の正負電圧の比率の切り替え等が自由に設定できるものとした。本電源は、平成7年度に実施する画像信号による積層状態をリアルタイムでモニタリングする装置に欠かせないものである。これまでの試作に引き続き最終的な電源を平成7年始めに完成予定である。
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