1995 Fiscal Year Annual Research Report
YAGレーザビームの整形と加工・造形・マニピュレーションへの応用
Project/Area Number |
06650149
|
Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮崎 俊行 千葉工業大学, 工学部, 教授 (10087455)
|
Keywords | YAGレーザ / 整形ビーム / 加工 / 造形 / 光圧力 / マニピュレーション / レーザ援用電鋳 |
Research Abstract |
マニピュレーションに関しては,昨年度求めた微小物体駆動の周波数特性における物体・ビームの相対位置関係を理論化した.ビーム輝度をガウス分布と仮定し,ビームと物体の相対位置と捕捉力の関係を求めた.これにより,実験結果を定性的に説明できた.また,レーザ光の出力・ビーム径と捕捉力の関係も求めることができ,本システムを定量化する基礎データを得ることができた.さらに,直径10μmオーダの金属ワイヤを用いた手製の簡単な装置を作り,回転実験を行った.回転させることはできたが,理論的には加熱の効果も大きいため,さらに実験が必要である. 加工については,パルスYAGレーザによるジルコニアセラミックスの深穴加工を行い,除去機構について考察した.その結果,いわゆる電子ビーム溶接の深溶け込みと同じキ-ホールの生成・消滅の繰り返しによる加工であることを明らかにした.この材料は、低パワー密度でも比較的深い穴をあけることが容易であり,工業的に有効な穴あけ法であると思われる.さらに,比較的加工困難である鋳物にCO2レーザ加工を適用した.本年度は,球状黒鉛鋳鉄の穴あけを行った. 造形に関しては,レーザ援用電鋳という新しい概念を用いた造形法の基礎実験を行った.これは,従来の電鋳加工にレーザビームの加熱効果,あるいは,化学効果を補助的に加えて,造形効率を高めることを意図している.本年度は,従来のYAGレーザの円形ビームを用いて,銅の電鋳が可能であるかどうかの基礎的データを求めた.その結果,基盤の加熱性によって析出効果が大きく異なることが分かった.さらに,任意形状を作るためには,ビームの位置制御が必要である.このため,購入した試料移動用簡易NC装置のプログラミングを行った.
|
-
[Publications] 片岡義博: "CO2レーザビーム切断によるアルミニウム合金の鋳ばり取りの基礎実験" 鋳物. 67. 557-562 (1995)
-
[Publications] S. Yoshioka: "Blackening and Its Disappearance of Stabilized Zirconia Ceramics in Pulsed Nd: YAG Laser Drilling" ICALEO′95 Proc. Laser Material Processing Conference. (印刷中). (1995)
-
[Publications] 片岡義博: "球状黒鉛鋳鉄のCO2レーザビーム穴あけ" 鋳物協会 第127回全国講演大会講演論文集. 134-134 (1995)
-
[Publications] 小林昭: "超精密生産技術大系 第1巻 基本技術" フジテクノシステム, 1096 (1995)