1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650156
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Research Institution | KANSAI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
樋口 誠宏 関西大学, 工学部, 教授 (50067732)
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Keywords | ビトリファイド研削砥石 / トポグラフィ / フラクタル / 非整数ブラウン運動 |
Research Abstract |
超高速ビトリファイド研削砥石の幾何学的構造を設計するに当たり,必要となる基礎的資料の蓄積を,平成6年度に引き続き行った.その概要は以下のとおりである. 前年度において,目なおし過程や研削過程における砥粒,結合剤の脆性破壊によって形成される砥石作用面の幾何学的特徴がフラクタルであること,それ故,非整数ブラウン運動を用いて随意に描くことができるフラクタル図形を,砥石作用面の幾何学的構造のモデルとして,設計過程に利用できることを明らかにした.ところが,作用面の構造が破壊によって確率的に形成されたものであるならば,構造を設計しようとすること自体が本質的に否定されることになる.そのため,砥石特有の切れ刃形状の不規則性や複雑性,あるいは切れ刃分布の非一様性が,砥石の構成要素や目なおし条件によって必然的に形成されたものかどうかを究明することが重要と考えた. そこで,作用面のフラクタル構造を特徴づける次元と,その形成に関与すると考えられる要因との間に因果律が存在するかどうかを,Group Method of Data Handlingを適用して調べた.その結果,切れ刃の形状,分布に関する次元が砥粒粒度,結合度,組織,ドレッサ切込み,ドレッサ送りによって多項式近似されることが判明し,作用面のフラクタル構造がある力学系に支配された必然によって形成されるという結論を得た. 以上のことから,非整数ブラウン運動によるフラクタル図形生成法を,砥石の幾何学的構造をビジュアルに表現するツールとして用いて,計算機援用による砥石の構造設計システムが構築できる見通しを得た.
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Research Products
(1 results)