1994 Fiscal Year Annual Research Report
動力伝達系の振動挙動の総合的把握法(光通信による非接触スリップリングの開発)
Project/Area Number |
06650166
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
北条 春夫 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (40108238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大嶋 俊一 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (30262322)
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Keywords | 振動 / 測定 / テレメータ / 光 / 周波数変調 / 回転体 / 多重通信 / 歯車 |
Research Abstract |
動力伝達機器の振動挙動を把握する場合においては,歯車を代表とする主要な要素が回転しているために,通常は加速度ピックアップを対象物に搭載してスリップリングを軸端に取り付けて信号を外部へ伝達する必要があるために,質量の付加,スペース,測定点数などの制約をうけている.そこでテレメータのようにして加速度信号を従来のような機械接触によらず,外部に取り出す方法があれば,実機の任意の場所の振動挙動を計測することができる. 本研究は,加速度ピックアップの信号を外部に伝達する方法として,外周部に取りつけた光カプラーを用いて計測する方法について検討を加えたものである.そこでこの方法が歯車装置の系全体の把握に適用可能であるかを検討するために,実用性を考えて数kHz程度の信号を,回転する軸上から外部へ伝達する試験システムを構築して,計測を試みた. 研究成果は以下のとおりである. (1)光通信により加速度ピックアップの信号の搬送波をFM変調し,この信号を回転軸の外周に取り付けた発光ダイオードによって外部に設けたフォドダイオード伝達するシステムを試作した. (2)ここでは回転体外周の発光ダイオードのフォトダイオードの数を検討して安定した伝達が実現できる条件を見いだした.また,反射を利用して1対1でも伝達が実現できることを確認した. (3)実際の歯車装置に,これを取り付けて振動の計測を試み,従来のようにスリップリングを通じて計測した結果と比較し,本手法がこれに遜色のない信号伝達を実現していることを検証した. (4)また,多重通信の可能性について,1回線で2チャンネルの信号伝達が行えることを確認し,複数の信号伝達が可能であることを実証した.これより遮蔽板をおくことによってさらに多チャンネルの信号伝達への展望が開けた.
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