1995 Fiscal Year Annual Research Report
タイヤトレッドゴムの氷上トライボロジー特性改善に関する研究
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06650168
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
内山 吉隆 金沢大学, 工学部, 教授 (20019748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 智昭 金沢大学, 工学部, 助手 (30242530)
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Keywords | スタッドレスタイヤ / トレッドゴム / 摩擦 / 氷 / 短繊維強化ゴム / 水濡れ面 / 接触圧力 / 摩擦速度 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き-5℃の氷と各種ゴム試料との摩擦を、種々の摩擦速度及ぼ接触圧力で行い、スタッドレスタイヤの基礎研究を行った。ゴム試料としては、天然ゴム(NR)60部にブタジエンゴム(BR)40部をブレンドしたゴムを標準とし、それに短繊維を3部から10部配向させて充てんしたものを用いた。摩擦は配向した繊維の垂直な方向(N方向)と氷表面とを摩擦した。なお、乾燥ガラス及ぼガラスの水濡れ面との摩擦を同時に行い比較検討した。 得られた結果は、次の通りである。 (1)乾燥ガラス面との摩擦で、無充てんの標準ゴムでは、比較的高い摩擦係数を示し、高接触圧力ほど低下する。短繊維を充てんしたゴムは、3部及び6部の充てんでは無充てんのものに比べ、あまり大きな差はみられなかったが、10部充てんのものではやや低下し、接触圧力による差は少なくなる。 (2)水濡れ面との摩擦で、無充てんの標準ゴム試料は摩擦速度の増大とともに単調に摩擦係数は大きく低下した。しかし、短繊維充てんのものでは、低速における摩擦係数は無充分てんのものに比べてやや低く摩擦係数であったが、高速で摩擦係数は低下するものの、無充てんの場合ほど著しくない。 (3)氷との摩擦では、無充てんの標準ゴムでは、8cm/sの速度で摩擦係数のピークがみられ、それより低速及び高速で低い値を示した。短繊維を充てんしたものでは、同じように摩擦のピークはみられるが、より高速においても摩擦係数の低下は、無充てんほど大きくはない。また、短繊維充てん量を増やすと速度によるピークは低下する傾向が認められるが、広い速度範囲で摩擦係数の変化は小さくなり、低速及び高速における摩擦係数の低下の割合は無充てんの場合ほど著しくない。このことは、繊維による疑似水膜のつき破りによる摩擦の増大と考えられる。
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