1995 Fiscal Year Annual Research Report
圧電素子を用いた動圧形スラスト気体軸受すきま形状のアクティブ制御
Project/Area Number |
06650180
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
橋本 巨 東海大学, 工学部, 教授 (40130877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小金澤 鋼一 東海大学, 工学部, 助教授 (10178246)
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Keywords | 機械要素 / トライボロジー / 気体軸受 / ステップスラスト軸受 / たて形回転軸系 / アクティブ制御 / 動特性 / 高速回転機械 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度設計した動圧形ステップスラスト気体軸受試験装置の一部設計変更(ロータ寸法および軸受取付用アタッチメントの考察)を行い、さらに製作に取りかかった.回転軸は軸振動と伝達出力損失を最小限に抑えるために、ビルトインモータによって駆動され、モータの冷却はハウジングに設けた溝をとおして水冷で行うようにした.回転軸はセラミックス製アンギュラー玉軸受によってラジアル方向に支えられ,上部玉軸受には定位置予圧機構を、また下部玉軸受には定圧予圧機構を設けた.製作した駆動装置を用いて軸の駆動実験を行った結果、20000 (rpm)まで振動を起こすことなく連続的に駆動できることを確認した.試験軸受部は固定形ステップおよび圧電アクチュエータを用いた可変形ステップ軸形式とし、パッド枚数=3、パッド弧角=58度、パッド外形30 (mm)、最大ステップ高さ=10 (μm)である.軸受部は現在製作中であり、来年度上期には完成の予定である.一方、圧電アクチュエータをアクティブ制御するためのコントローラを設計・製作し、軸受部をバネ-ダシュポットで置き換えた仮想軸受モデルを作成して、すき間の制御実験を行うと同時にばね定数、減衰係数などをシステム同定法によって推定することに成功した.以上に述べたように試験装置は年度内に完成には至らなかったが、90%以上仕上がっており、来年度上期には軸受の静・動特性実験およびステップ形状のアクティブ制御実験が実施できる見込みである. 実験装置の製作と平行して、ステップ部における潤滑気体の慣性効果や圧縮性の影響を考慮したステップスラスト気体軸受の流体潤滑理論を新たに構築し、その静・動特性並びに軸受部の振動解析を行いステップ形状とこれらの軸受特性との関係を理論的に明らかにした.
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[Publications] 橋本 巨,落合成行: "ステップスラスト気体軸受の静・動特性" 東海大学紀要工学部. 35(発表予定). (1996)
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[Publications] 橋本 巨,落合成行: "高速ステップスラスト気体軸受の静・動特性に及ぼす流体慣性力の影響" 1995年度日本機械学会全国大会.
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[Publications] 橋本 巨,落合成行: "インパルス状励振力を受けるステップスラスト気体軸受の応答特性" 1996年日本機械学会通常総会. (発表予定).