1994 Fiscal Year Annual Research Report
超高真空中における複合被膜処理システム鋼歯車の負荷性能
Project/Area Number |
06650183
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Research Institution | Kure National College of Technology |
Principal Investigator |
灘野 宏正 呉工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (40043799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中迫 正一 呉工業高等専門学校, 機械工学科, 助手 (30259923)
河野 正来 呉工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (20110223)
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Keywords | ステンレス歯車 / すずめっき熱拡散処理 / 高真空 / 歯面摩擦損失率 / グリース潤滑 / 乾燥摩擦 |
Research Abstract |
今年度では、真空度が2×10^<-3>Pa程度の動力循環式歯車試験機を制作し、ステンレス鋼SUS304材の平歯車の歯面にすずの拡散層を形成させた場合について歯車試験を行い、下記のことが明かになった。 (1)歯面摩擦損失率ηは歯車対及び運転の経過に伴ってかなり変動し、グリース潤滑の場合、ηは0.01〜0.05となる。歯車対C(拡散層の厚みが約6μm)の場合のηは他の歯車対と比して最も小さく、試験終了に近い状態ではη=0.015となる。 (2)時間強度に関しては、グリース潤滑の場合では、歯車対B(拡散層の厚みが約4μm)の場合の時間強度が最も大きく、歯車対C,歯車対D(拡散層の厚みが約8μm)の順に低下し、拡散処理を施さない歯車対Aの場合が最も小さい。一方、乾燥摩擦の場合の時間強度は、歯車対Cの場合が最も大きく、歯車対D,歯車対B,歯車対Aの順に低下する。したがって、ステンレス鋼SUS304に対するすすめっき熱拡散処理は、高真空中における歯面の改質にきわめて有効な一方策と考えられる。さらに、乾燥状態での歯車駆動を考えると、拡散層の厚みは6〜7μmとするのが適当と考える。 (3)歯車対Cの場合を除いた他の歯車対の場合の振動加速度は、運転の経過に伴ってわずかに減少する傾向が認められる。これは、歯面摩擦損失率の変化とよく一致しており、歯面の摩耗の進展によって歯面がなじみ、かみあい開始時における動荷重の発生が軽減したものと考える。また、歯面の異常な摩耗により運転が困難となる場合の振動加速度は、その直前に測定された振動加速度と比較して上昇しており、歯形の異常が感知できる。
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Research Products
(1 results)