1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650215
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
石田 正弘 長崎大学, 工学部, 教授 (60039683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 大作 長崎大学, 工学部, 助手 (70244035)
植木 弘信 長崎大学, 工学部, 助教授 (30160154)
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Keywords | 流体機械 / 遠心送風機 / 低流量域 / 旋回失速 / ディフューザ失速 / 異常流動検知 / 流速変動相互相関係数 / 圧力変動自己相関係数 |
Research Abstract |
本研究では、後傾羽根羽根車を有する遠心送風機の低流量域で発生する不安定流動について、その定量的予知尺度を明らかにすることを試みた。先ず、半導体レーザー2焦点流速計を用いて流動状態を計測し、半径分速度変動および周分速度変動の相関係数の解析結果から、旋回失速が生じる直前の流動挙動の特長を明らかにした。次いで、送風機ケーシング壁面に装着された応答性の高い半導体圧力変換器から得られる壁面静圧変動の自己相関係数を詳細に解析し、旋回失速の起源となる小さな振幅の間欠的な不安定流動が現れることを見い出した。現在までに得られた主な結果は以下のとおりである。 (1)羽根車出口直後で計測された半径分速度および周分速度変動の相関係数は、旋回失速発生前は負であり旋回失速状態では正となるが、旋回失速発生直前では羽根間中央部分から圧力面側の一部において負から零に近づく。負の相互相関係数は変動が羽根間流れに依存し、正の相互相関係数は変動がディフューザ壁面境界層流れに依存していることから、ディフューザ内に内向き流れが存在する低流量状態において、羽根車出口直後で羽根間流れと境界層流れが相互干渉するために不安定流動が発生するものと推定された。 (2)羽根車数十回転について連続的にサンプルされた壁面静圧変動の自己相関係数から、羽根2ピッチより大きな周期の変動を抽出した。旋回失速の発生直前には羽根間流れと境界層流れの干渉に基づく間欠失速の予兆現象が速度変動の相関係数および圧力変動の自己相関係数の両者において一致することを示した。 (3)旋回失速予知のための定量的尺度として、羽根車出口直後の羽根間中央部分から羽根圧力面側における壁面静圧変動自己相関係数が比較的簡単に取得でき適当である。その値としては、羽根2ピッチに相当する時刻の相関係数の値が適切であることが示された。
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