1994 Fiscal Year Annual Research Report
平面上に直立する有限長円柱群による越流流れのエネルギー減衰効果
Project/Area Number |
06650216
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
平野 公孝 宮崎大学, 工学部, 教授 (40094081)
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Keywords | 越流 / エネルギー減衰 / 有限長円柱 / 直立円柱群 / 海岸林 / 津波 / くし型列状伐採 / 防潮機能 |
Research Abstract |
津波に対する海岸林の防潮機能の定量的評価法の確立を目指して,海岸林を平面上に直立する有限長の円柱群で近似化し,以下のような模型実験を実施した. ・1.水槽装置の製作:水槽は,流れの可視化実験を可能とするようアクリル板で構成され,長さ4150mm,深さ300mm,幅120mmの大きさである.林帯模型は,高さ76mm,直径4mmの円柱が0.158本/cm^2の密度で千鳥型格子状に配列されている円柱群のブロックである.海岸林の枝葉のモデル化としてスチールたわしが,円柱群の上に置かれている.海岸林は,この複数のブロックの並べ方により,くし型列状に伐採されている状態などを表わす. ・2.風洞による模型実験:スチールたわし付きの海岸林模型の流体力学的特性の一つとして,模型前後の圧力損失を風洞実験により測定した.その結果,くし型列状に伐採された林の圧力損失は,伐採されない林の圧力損失よりも小さく,海岸林による流れのエネルギー減衰効果は少ないことが明らかにされた. ・3.流れの可視化実験:円柱群に流入するボア状の流れが,ビデオにより撮影された.円柱群ブロックの配置を種々変化させ,海岸林の伐採状況を変化させた.海岸林の防潮機能にとり重要である海岸林の背後地の流れに対して,樹木の伐採は大きく影響することが明らかにされた.即ち,くし型列状配置の場合では伐採された部分の流れは下流の林に衝突し,樹高を越えて大きく盛り上がり,背後地に至って急激に落下する.一方,伐採されない場合には,海岸林の樹高を越える流れは,比較的滑らかに背後地に流れ込む. ・4.画像処理による流れの速度計測:相関法を用いた画像処理により,従来の速度計測手法では測定が困難であった海岸林をよぎる流れの速度分布が測定された.
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