1994 Fiscal Year Annual Research Report
赤外線照射による氷結晶の能動的活性化を利用した霜層の融解に関する基礎研究
Project/Area Number |
06650249
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
稲葉 英男 岡山大学, 工学部, 教授 (40133805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 公一 岡山大学, 工学部, 助手 (20224206)
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Keywords | 霜 / 融解 / 赤外線 / 氷結晶 / 吸収率 / 融解水 / 着霜 / 除霜 |
Research Abstract |
平成6年度は、様々な霜構造(針状、柱状および樹枝状構造)および霜密度における最適放射熱エネルギー吸収波長帯の検討と特殊放射熱源ランプ開発に関する検討そして昇華蒸発を伴う霜層の消滅に関する実験を起なった.霜層の形成に関する実験では、大型恒温室内にて比較的均一な霜層の成長が可能な上向き冷却面に着霜させた.空気温度・湿度そして風量を様々に変化することにより、様々な構造と密度を持つ霜層の形成に成功した.また、霜層の融解の放射熱源としてのランプとしては、遠赤外領域の放射エネルギーを霜層が効率よく吸収することが、放射熱量計(備品で購入)の計測結果より明らかとなった.従って、最適な放射熱源としては、黒体塗料を塗布した平板形のヒーター温度を100-300℃に維持することより、理想的な遠赤外放射を得れることも判明した.霜高さを2-7mmと変化させ、霜の融解に同遠赤放射熱源を用いて実験を行ない、有用な実験成果を得た.特に、融解水の霜層への浸透が、霜層の融解を促進する効果があることも判明した.さらに、冷却面の放射率を黒体塗料などを塗布することにより、入射放射の反射を押さえることが効果的で、冷却面に入射したエネルギーはそこで熱に変わり、霜層の背面から融解が進む現象も観察された.空気の湿度が小さい状態では、昇華蒸発により霜より直接水蒸気の発生となることにより、融解水の伴わない新たな霜層消滅の可能性を見いだした.今後、昇華蒸発を含む霜層の消滅に関する研究に発展させる予定である.昇華蒸発の熱源は、遠赤外放射とする.
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