1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650260
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
井村 英昭 熊本大学, 工学部, 教授 (10040396)
|
Keywords | 熱サイフォン / 密閉型 / 沸騰 / 凝縮 / 熱伝達係数 / 限界熱流束 |
Research Abstract |
前年度は内径16mm、蒸発部および凝縮部の長さがいずれも500mmの密閉型熱サイフォンを用い、エタノールおよびフロン123を作動液体として、蒸発部および凝縮部内の熱伝達係数および限界熱流束に関する実験を熱サイフォン内の作動温度が40〜90℃の範囲で行った。作動液体は蒸発部内容積の約40%封入した。 本年度は作動液体として、フロン134a、水、メタノール、ペンタンおよびヘキサンを用いて、前年度と同じ封入量および管内温度の条件で蒸発部および凝縮部内の熱伝達係数および限界熱流束に関する実験を行った。なお、メタノールの場合は封入量の影響を調べるために、封入量を30,40,50および60%と変化させて実験を行った。得られた結果をまとめると次の通りである。 1.蒸発部内の熱伝達係数は従来発表されている井村ら、Grossおよび神永・岡本の式で上記7種類の作動液体の実験データを整理し、各式の妥当性を検討した。その結果すべてのデータを一つの式で整理することはできなかった。 2.凝縮部内の熱伝達係数は凝縮液膜上に波が発生することを考慮して導かれた凝縮熱伝達係数の式でほぼ整理できる。しかし、水の場合はすべてのデータが、アルコールおよび炭化水素の場合は管内温度が低いかまたは低熱流束で熱伝達係数は小さな値を示した。 3.限界熱流束の実験値は従来発表されている八つの実験式および理論計算式によって整理した結果、Imura et al.,深野らの実験式および甲藤らの理論計算式によって比較的良く整理された。しかし、これらの整理によれば、フロン123、ペンタンおよびヘキサンのデータは水、エタノール、メタノールおよびフロン113のデータよりも約50%大きな値を示した。 4.メタノールの封入量を変えた実験によれば、蒸発部壁面温度分布から判断して、封入量は50%程度が最適と予想される。
|
Research Products
(2 results)