1995 Fiscal Year Annual Research Report
海水を含む土壌の凍結・融解における熱物質移動過程の解明
Project/Area Number |
06650264
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
岡田 昌志 青山学院大学, 理工学部, 教授 (60082830)
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Keywords | 海水 / 土壌 / 凍結 / 多孔質体 / 水溶液 / 自然対流 / 強制対流 / 熱物質移動 |
Research Abstract |
本研究は、ヒートポンプの熱源および冷熱蓄冷材としての土壌に着目し、特に海浜地域での開発を想定して、海水(3wt%塩化ナトリウム水溶液)で満たされた土壌(粒子充填層)内に水平に置かれた円管周りの凍結融解問題を解明することを目的としている。本年度は、特に、自然対流との干渉が著しい上向きの強制対流場での凍結問題を課題とした。具体的には、(1)上向き強制対流場での凍結の解析と粒子充填層における凍結実験、(2)上向きヘルショー流れ場での凍結実験による対流の可視化を行い、以下の成果を得た。 1.凍結領域内外の温度測定結果と解析結果がよく一致することから、上向き強制対流と温度差・濃度差自然対流とが干渉しながら進行する本凍結過程に対しても前年度構築した解析方法が有効であることが確かめられた。 2.上向きの強制対流と自然対流との干渉により凍結領域の下部または側部に循環流が生じる。 3.ヘルショー流れ場の可視化実験では、粒子充填層の実験と比べてペクレ数、レイリー数が共に大きい条件であったが、上記の解析結果と同様に、凍結領域側部の循環流が観察され、さらに凍結初期において凍結領域下部の循環流が認められた。しかし、解析と異なり、凍結層の鉛直下方から約30゚の位置から凍結面を離れて落下する流れが生じ、この流れと強制対流との干渉による複雑な流れが観察された。 4.全凍結量は強制対流により抑制されるが、上向き強制対流の場合、自然対流と干渉する条件では抑制され難い。例えば、温度差によるレイリー数が1.53の時、上向き強制対流のペクレ数が10の条件と下向き強制対流のペクレ数が2の条件で全凍結量の成長速度が等しくなる。
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[Publications] 土屋賢一: "水溶液で満たされた粒子充てん層における水平円管周りの凍結" 日本機械学会論文集(B編). 61. 4123-4129 (1995)
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[Publications] Masashi Okada: "Effects of natural and forced convection on freezing around a horizontal cylinder in a porous medium saturated with aqueous solution" Fifth Int. Symposium on Thermal Engineering and Science for Cold Regions. (1996)