1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650277
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
須田 義大 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (80183052)
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Keywords | コルゲーション / 波状摩耗 / 転がり接触 / 接触振動 / 滑り振動 / 摩耗 / 振動 |
Research Abstract |
表面に弾塑性変形や摩耗が生じる物体が転がり接触をすると、接触表面の振動に起因して、コルゲーションと呼ばれる周期的な変形が接触表面上に発生することがしばしば見られる。例を挙げると、鉄道レールに発生する波状摩耗、圧延機、製紙機などの転がり接触を伴うローラーの変形などである。一度コルゲーションが発生すると、振動・騒音問題を引起こすだけでなく、装置の本来の機能をも損なうという重大な問題を引起こすが、従来詳細なメカニズムは明らかにされて来なかった。本研究の目的は、このようなコルゲーションの発生・成長メカニズムを解明し、防止のための手法を探究することである。2つの円盤が転がり接触する実験装置を用いて、接触面内の縦・横すべりを伴うコルゲーションの発生・成長を実現した。コルゲーションの発生・成長状況、車輪・軌条輪の上下・左右・前後・回転方向の振動及び滑りの状態をリアルタイムに計測し、上下振動と滑り振動の関係、さらに摩耗率との関係を実験的に明らかにした。実験結果から得た知見は以下の通りである。すべりを伴うコルゲーションの発生メカニズムは、すべり振動と上下振動が連成し、繰り返し接触により、フイ-ドバック系を構成するためと考えられる。よって、コルゲーションの防止策は、接触面内の振動防止、定常すべりの排除、すべり振動と上下振動の連成防止、および摩耗などの変形防止が有効と考えられる。具体的には、接触面の潤滑(塗油)が方策の一つである。実験では二つの円盤が円筒接触する系を想定したが、レールと車輪が接触する場合を想定した弾性支持梁上を接触剛性を伴いながら荷重が移動する振動問題についてのモデル化も検討した。固有振動数が接触位置により変化することが分かり、コルゲーションの問題について検討するためには、この点を考慮する必要があることが分かった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 須田義大: "コルゲーション実験装置の開発(波状摩耗シミュレータ)" 日本機械学会第72期通常総会講演会講演論文集. IV. 133-134 (1995)
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[Publications] 須田義大: "波状摩耗シミュレータの開発" 生産研究. 47. 47-50 (1995)
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[Publications] 須田義大: "コルゲーション生成実験" 日本機械学会第73期通常総会講演会講演論文集. V. 117-118 (1995)
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[Publications] 須田義大: "縦・横すべりを加えた際に発生するコルゲーションに関する実験" 平成7年鉄道技術連合シンポジューム(J-RAIL'95)講演論文集. 111-114 (1995)
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[Publications] 柳允善: "移動質量接触ばね系と弾性支持梁の連成振動" 機械学会・計測制御講演論文集. B. 257-260 (1995)
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[Publications] 柳允善: "接触剛性を考慮した移動質量-弾性支持梁の連成振動" 平成7年鉄道技術連合シンポジューム(J-RAIL'95)講演論文集. 129-132 (1995)