1995 Fiscal Year Annual Research Report
特異摂動法を用いた非線形システムの制御に関する研究-アクティブサスペンションの制御への応用-
Project/Area Number |
06650281
|
Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鈴木 正之 名古屋大学, 工学部, 教授 (20023286)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 嘉則 名古屋大学, 工学部, 助手 (70242831)
丹羽 昌平 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (30023287)
|
Keywords | 特異摂動法 / 非線形システム / 厳密な線形化 / アクティブサスペンション |
Research Abstract |
平成7年度は次のような研究を行った。 (1)非線形特性を持つ要素を含む制御対象となる車両のアクティブサスペンションのモデルの作成 (2)非線形システムの対する特異摂動法と線形化手法によるアクティブサスペンションに対する制御則の設計 (3)設計した制御方法の数値シミュレーションによる制御効果の確認 (4)実際の自動車による提案した制御則を用いた実験の結果についての検討 (5)作成したモデルに対するLQGによる制御則とH_∞制御則の設計と実験装置を用いた実験の結果の比較 本研究により,アクティブサスペンションシステムの制御系設計において,特異摂動法を用いることにより全体のシステムを乗り心地に関するサブシステムと操縦安定性に関するサブシステムの低次元の2つのサブシステムに分割し,非線形特性を持つ各々のサブシステムに対して線形化を行うことで高性能な制御系の設計がより容易なものとなることが確認された。この制御系設計方法を用いると,そのままでは線形化の困難な非線形特性を持つサスペンションシステムにおいても,次元が低いそれぞれのサブシステムでは線形化が容易になる。さらに,特異摂動法を用いるためにそれぞれの特性に対する設計が分離でき,元のシステムに対する制御則が,それぞれのサブシステムに対する制御則から容易に合成することができるようになり,制御系設計が簡便となることを示した。
|