数値ファントムを用いた集束衝撃波胆石破砕のための数値シミュレータの開発

1994 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 06650284
• Research Institution: Okayama University
• Principal Investigator: 土屋 隆生 岡山大学, 工学部, 講師 (20217334)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 廣瀬 壮一 岡山大学, 工学部, 助教授 (00156712) ; 加川 幸雄 岡山大学, 工学部, 教授 (10019200)
• Keywords: 有限要素法 / 衝撃波 / 数値ファントム / 電磁トランスジューサ / 胆石破砕法 / 集束超音波

Research Abstract

本年度は、有限要素法を用いて集束衝撃波胆石破砕のための数値シミュレータの開発を行った。まず、集束衝撃波の発生音源である電磁トランスジューサの応答特性解析を有限要素法を用いて行った。電磁トランスジューサは、磁界-振動-音響の各系が連成した系として取扱った。軸対象・時間依存問題として定式化を行うことで数値シミュレータを開発し、2,3の数値実験を行った。その結果、集束型の電磁トランスジューサではシェル構造の振動板を採用すれば曲げ振動が励起されるものの、全体的には伸び振動が励起されるため、振動板の厚さを薄くしてもよく、効率よい衝撃波放射が可能であることが示された。つぎに、集束型電磁トランスジューサを作製し、その応答特性を実測した。有限要素解析結果と比較検討したところ両者は良好に一致し、数値シミュレータの妥当性が示された。
つぎに、音場の非線形効果を組み入れて定式化を行い、上記数値シミュレータを改良した。離散化に1次要素を採用して、密度・音速が異なる不均質対象媒質(数値ファントム)を扱うことができる。数値ファントムのデータ入力を容易にするために汎用の有限要素プリプロセッサからデータを受け取ることができる。密度・音速が異なる2,3の数値ファントムについて音場計算を行った結果、回折効果により焦点近傍で音圧波形が変化すること、不均質場では不均質の度合いに応じて焦点位置、集束強度が変化すること等が確かめられた。