1994 Fiscal Year Annual Research Report
動的スピルオーバを考慮した宇宙構造物の姿勢と振動の同時制御
Project/Area Number |
06650288
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
吉田 和夫 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (80101997)
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Keywords | 宇宙構造物 / 振動制御 / 動的スピルオーバ / ロバスト制御 |
Research Abstract |
宇宙構造物の姿勢と振動の制御問題においては、宇宙構造物が大規模化するにつれて姿勢と振動の周波数帯域が接近して、姿勢と振動の制御を総合的に設計する手法が求められている。このような問題においては、低次元化制御や非モデル化モードに起因するスピルオーバ不安定の問題があり、これを防止するロバスト制御手法の確立が求められ、周波数成形最適制御やH∞制御、μ制御など様々な手法の応用が提案されてきた。これらのロバスト制御手法の適用においては、低次元化によって無視された高次モードをモデル化誤差と見做して、この誤差に対してロバスト安定あるいはロバスト性能を有する制御器の設計が行われることが一般的であった。しかしながら、この方法では制御系は動的スピルオーバを有し易く、高次のフィルタが必要になったり、問題点が指摘されていた。本研究は、より高性能で、動的スピルオーバを考慮した制御器を設計するために、高次制御器を設計した後に制御時モードを用いた低次元化手法を提案した。提案した設計手法の手順は以下の通りである。まず高次のモデルに対して、フィルタを用いずに制御器を設計し、モード打ち切り法により高次制御器を低次元化する。次に、この際の低次元化誤差を包む周波数重みフィルタを構成する。さらに、この周波数重みフィルタを用いて、周波数成形LQG制御あるいは、H∞制御によりフルオーダの制御器を設計する。最後にこのフルオーダの制御器を制御時モードによって低次元化して、低次元制御器を得る。この手法の有効性を調べるために、剛体軸に一様な柔軟はりを付けたフレキシブルアームモデルを用いて数値シミュレーションを行った。その結果、EnnsやLiu&Andersonの方法と比較して、性能が良く、設計が簡単であることが示された。
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Research Products
(1 results)