1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650291
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
下郷 太郎 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (30051147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 秀征 神奈川工科大学, 工学部, 助手 (60085131)
押野谷 康男 東海大学, 工学部, 専任講師 (70233533)
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Keywords | rotor dynamics / vibration control / dynamic vibration absober / hybrid magnet / magnetic force / optimal regulator |
Research Abstract |
本研究は、ハイブリッド磁石の磁気反発力を用いた動吸振器によって、回転体の振動を制御する方法の開発を目的としているが、昨年度は動吸振器がスライダによって半径方向にガイドされる構造としたため、その取り付けの調整が容易でなかった。そこで本年度は、動吸振器を軸方向にも磁気浮上させた浮動円環状の構造として取り付けの調整を不要としたが、その場合、動吸振器が円周方向に回転する可能性があるため、柔らかいばねによって回転を拘束する必要があった。円周方向の振動は動吸振器の本来の機能である半径方向の振動にも何らかの影響を与えると考えられるため、本年度の研究はこの点の解明に重点を置いた。 そこでまず、回転体の円周に貼りつけた8個の永久磁石とその周囲に配置した4個のハイブリッド磁石によって形成される磁場を2次元有限要素法によって解析し、円周方向に作用する磁力を推定した。その結果、浮動円環状の動吸振器の円周方向回転角は十分に小さく、動吸振器としては半径方向の振動のみを考慮して最適レギュレータ理論による制御則を導けることが判明した。 もう一つの問題は、浮動している動吸振器の変位の検出方法であった。スライダでガイドされる場合はポテンショメータを用いたが、本研究では浮動円環にギャップセンサを4個取り付けて回転体との相対変位を検出することにした。 以上のような改良型の電磁動吸振器による回転体の振動制御の効果を、数値シミュレーションと実験によって確認した結果、昨年度と同様に危険速度を含む広い回転速度範囲にわたって良好な制御性能が得られた。
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