1994 Fiscal Year Annual Research Report
人間の力覚に訴えるトルクディスプレイを用いたねじり感覚仮想体験
Project/Area Number |
06650300
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤本 英雄 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (60024345)
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Keywords | 人工現実感 / 感覚 / 心理的解析 / 慣性 / 粘性 / 弾性 / 渦場 / 感性 |
Research Abstract |
生活へのコンピュータの浸透の高まりを背景に,五感を積極的に利用し円滑なやりとりの場を目指す人工現実感の考えにおいて,身体面からの感覚提示の開発と心理面からの感覚提示を大きなテーマとしている. そのうえで,前者にたいして,感覚提示には現状で装置か必要であり,従来研究では,機構に左右され並進より回転事例が少ない点や作業が主体で動きにあった動作とはいいにくい点がある.そこで,機械系で環境や対象物体との相互作用に重要な「力」とひとからの働きかけでそうした対象に近い「手首」に着目して,手首の動きに伴う「回転力提示装置」の試作に取り組んでいる.それは,モータよりワイヤを駆動して反力を生成させ,エンコーダより角度を計測してコンピュー夕で力情報を処理するものである.一方,後者にたいして,刺激により生じる感情が提示内容をも左右しかねない観点から内面測定は必要であり,従来では,力の提示効果を時間や軌跡の物理測定によっていて内面に基づく行動は分かりにくい点がある.そこで,まず,「力の場での力の提示の重要性を再認する」ため心理学的測定に従って実験を行っている.そのため,回転感や力感を表す情緒性を含む形容語(感性なる用語)24語対と5種の回転を準備し,問いかけと試作した装置の1軸を用いた回転力の提示前後でアンケートを実施している.5種の回転体験では,流線の可視化では得られにくい渦場の速度感と身近な動作例としてのボールの投げ上げ感・捕球感を中心として,力学上の基礎である回転の慣性感と粘性感および弾性感の表現を試みている. 試作によりひとの動きにあわせた可動機構の困難さの再認と,心理学的解析により回転力にたいして抱くイメージの要因を考察し,力の場での力の提示の重要性を示している。
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