1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650318
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
大口 國臣 茨城大学, 工学部, 教授 (50037868)
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Keywords | 電力変換回路 / インバータ / 波形ひずみ |
Research Abstract |
研究代表者が考案した新方式電力変換装置は、現在、大容量変換装置として実用化が進んでいる、三相3レベルインバータに単相3レベルインバータを付加したものである。本方式には、パワーデバイスの使用個数が少なくて、5レベルの良好な電圧波形が得られる大きな特長がある。この結果、低スイッチング周波数でも低ひずみ波形が合成できるので、大電力用に適している。 今年度は、実験装置の試作と出力電圧のパルス幅変調法についての検討を行った。通常の5レベルインバータでは、61個の空間電圧ベクトルが利用できるが、本方式では、回路構成を簡単化したために、利用できるベクトルが43個に減少する。そこで、この方式に適した変調方式を検討した結果、低出力電圧範囲では、5レベル動作を、中間電圧範囲では3レベル動作を、高出力電圧範囲では5レベル動作を行わせることにより、広い出力電圧範囲に渡って連続的に電圧制御可能な方式を見いだした。次に、出力波形のひずみ特性を理論的に検討し、本方式の特性は5レベル方式よりはいくらか劣るが、3レベル方式よりはかなり良いことを明確にした。 さらに、電力用パワーデバイスIGBTを用いた装置を2組試作し、一方を順変換装置として、他方を逆変換装置として動作させる電力可逆システムを構成した。時間的制約から、開ループ制御の場合しか検討できなかったが、上述の理論的検討結果を実験的に確認することができた。 閉ループ制御装置の製作とその実験的検討については、次年度の課題としたい。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 大口 國臣: "Three-phase Multilevel-Voltage Source Converters with Low Switching Frequencies and Less Distorted Input Voltages" IEEE Trans.on Industry Applications. 30. 1156-1165 (1994)
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[Publications] 大口 國臣: "準36スッテプ入力電圧波形をもつ二重化三相ダイオードブリッジ整流回路" 電気学会論文誌D. 115. 172-173 (1995)