1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650318
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Research Institution | IBARAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大口 國臣 茨城大学, 工学部, 教授 (50037868)
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Keywords | コンバータ / インバータ / 波形ひずみ率 / 相間リアクトル / 二重化 |
Research Abstract |
前年度製作した電力変換装置2台を用いた実験的検討と理論的考察から下記の成果が得られた。 1.簡単化二重化システムの考案 波形改善用に付加した単相コンバータの動作期間が、二重化時には半減することに着目して、2台の変換装置で1台の単相コンバータを共用する簡単化方式を考案した。簡単化しない基本方式と全く同一の良好な波形と動作特性が得られることを実験的にも確認した。しかし、本方式では、回路が簡単化される反面、単相コンバータの動作周波数が系統周波数の9倍に増加する欠点が生じる。したがって、中容量の用途に実用性があると考えられる。 2.装置の大電流化 装置の電流容量を増大する手段として、相間リアクトルによる並列接続を検討し、コンバータの出力電圧波形を工夫することにより、スイッチング周波数を増加することなく波形改善ができることを示した。従来方式のコンバータを並列接続しても、合成電圧は12ステップ波形にしかならないが、提案方式では36ステップ波形となる結果、波形ひずみ率が焼く1/3に低減できる。 3.系統連系実験 今回製作した実験装置には、製作期間短縮のために当研究室としては初めて市販のゲートドライバを使用した。しかし、ドライバから流失するノイズのために変換器の電流検出が困難になり、当初意図した閉ループ運転を行えなかった。中小容量変換装置では、スイッチングデバイスの使用個数が少ないために実用可能なドライバ方式も、32個という数多くのデバイスを使用する超大容量装置には不適であることがわかった。この目的に適したドライバ開発が今後の課題として残った。 4.まとめ 低スイッチング周波数で良好な電圧波形が得られる電力変換装置の実現可能性を確認できた。提案方式回路を用いた電力系統機器の開発や新しいドライバの開発が今後の課題である。
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Research Products
(1 results)