1994 Fiscal Year Annual Research Report
異周波のハイブリッド結合による大容量,大口径誘導熱プラズマの発生
Project/Area Number |
06650322
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
作田 忠裕 金沢大学, 工学部, 教授 (80135318)
|
Keywords | 誘導プラズマ / 大口径プラズマ / 低周波磁界 / 高速・均一プロセス / 熱プラズマ |
Research Abstract |
高周波誘導熱プラズマは,その温度が1万度を越える超高温となっており、反応性の豊かな熱プラズマ空間が無電極状態で実現できる点が最大の特長で、近年の新機能性素材の生成技術、ならびに地球環境汚染物質等の分解技術にこの特徴が応用されつつある。従来までこの高温場は高い周波数に規定されて直径にして約50mm程度が限度であった。本研究は,種火としての小口径プラズマを直流モード点孤しておき,これに別途、50kHz、200kWの連続発振電源による低周波強磁界をカップルさせ、その高温領域を拡大化し、安定、定常に大口径、大容量誘電熱プラズマを発生させようとするものである。平成6年度では、以下のように大口径プラズマ特性の理論解析およびそれに基ずく異周波結合型プラズマ炉を製作し、プラズマ拡大実験に成功をおさめた。 1)50kHzプラズマ炉の設計 この種の無電極,磁気結合方式の高周波プラズマ炉は,電源,マッチング回路,誘導コイルを含む電力システムである。周波数50kHzにおいて、低周波コイル形状ならびに所要のプラズマ電力を評価し、解析によりプラズマ電力として約170kWが最低必要であることが判明した。 2)50kHzプラズマの物理的特性解析 種火としての半径の小さいプラズマが、低周波重畳により拡大してゆく過程を、エネルギー、質量保存則とMaxwellの方程式とから解析した。その結果、50kHz、100kWレベルの低周波印可により、数10msの短時間でプラズマ半径が所望の大口径にまで拡大し、その後は種火プラズマ入力を切っても低周波のみでこれを維持できることが理論的に判明した。 異周波を結合したプラズマ炉の製作と実験 種火としての直流小プラズマ部と低周波コイルとをハイブリッド結合したプラズマ炉を製作し、実験を行った。コイル直径として70および100mmについて、約20mmの種火プラズマをこの大口径にまで拡大することに成功した。圧力は60torrで、最小必要電力はそれぞれ、30及び60kWであった。
|
-
[Publications] T.Sakuta: "Numerical analysis of expanding procedure of induction thermal plasma by superimposition of 50‐KHz oscillating field" Symp.on Plasma Science for Materials. 7. 177-182 (1994)
-
[Publications] 作田忠裕: "直流と高周波を結合した大口径プロセス用熱プラズマ炉" 電気学会プラズマ研究会資料. E-94-45. 111-120 (1994)