1994 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロ・ファジ-技術を導入した発電用ダム上流域の降雨および河川流量予測システム
| Project/Area Number |
06650323
|
|---|
| Research Institution | Nagoya University |
|---|
Principal Investigator |
松村 年郎 名古屋大学, 工学部, 助教授 (90126904)
|
|---|
| Keywords | ニューラルネットワーク / 発電用ダム / 河川流量 / 降雨量 / 予測 / レーダデータ |
|---|
| Research Abstract |
発電用ダム上流域における水資源を有効に電気エネルギーに変換利用するためには、降雨による流量増加の時間変動を精度良く予測することが必要である。本研究では、河川出水予測のためのニューラルネットワークシステムの構築を行い、本目的に適したシステムの構成について検討を行った。具体的に、大井川水系畑薙第一ダム上流域および飛騨川水系高根ダム上流域におけるケーススタディーを通して、次のことを明らかにできた。
1.3層の階層型ニューラルネットワークを用い、現時点までに観測された降雨量および流量を入力とし、1時間後の河川流量を出力とするシステムを構築した。
2.ニューロンの入出力関数として、すべてを一般的なシグモイド関数とするより、線形関数を用いた方が予測精度が向上する。
3総降雨量別に学習したシステムを用いることにより、流量予測精度が向上する。
4.ニューラルネットワークシステムの入力信号として、累積雨量を加味すれば、さらに予測精度が向上する。
5.ニューロンの連携を線形部分と非線形部分とに分割することにより、予測精度の低下を招かずに学習時間の短縮が実現できる。
また、河川流域における降雨の空間分布のオンライン観測として、気象レーダデータの利用が考えられる。本研究では、レーダデータから地上雨量分布への変換のためのニューラルネットワークシステムを開発した。この場合、ダム上流域の標高を考慮して学習を行うことにより、地上雨量分布を精度良く推定できる。
|
-
[Publications] K.Ichiyanagi: "A Prediction of River Flow Rate into a Dam for a Hydro Power Plant by Artificial Neural Network Trained with Data Classified acoording to Total Amount of Rain" Proc.Int.Conf.Power System & Engineering. 1. 15-18 (1994)
-
[Publications] 一柳 勝宏: "ニューラルネットワークによる発電用ダム上流域の河川流出率推定" 電気学会論文誌B分冊. 114. 945-946 (1994)
-
[Publications] 一柳 勝宏: "ニューラルネットワークによるレーダ雨量観測地からの地上雨量分布の推定" 電気学会論文誌B分冊. 114. 1175-1176 (1994)
-
[Publications] 児嶌 伸幸: "ニューラルネットワークによるレーダデータからの地上雨量分布の推定" 電気学会電力技術研究会飼料. PE-94-36. 1-9 (1994)
-
[Publications] 一柳 勝宏: "ダム流入量予測のためのニューラルネットワークにおける入力ユニット分離の効果" 平成7年電気学会全国大会論文集. (発表予定). (1995)
-
[Publications] 児嶌 伸幸: "標高とレーダデータとを考慮したニューラルネットワークによる地上雨量分布推定の検証" 平成7年電気学会全国大会論文集. (発表予定). (1995)
