1994 Fiscal Year Annual Research Report
大容量交流超電導線接続部のクエンチ現象の解明及び接続端子の最適化
Project/Area Number |
06650327
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高橋 則雄 岡山大学, 工学部, 教授 (40108121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 耕二 岡山大学, 工学部, 助教授 (20190093)
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Keywords | 交流超電導 / 超電導変圧器 / クエンチ / ツイストピッチ / 輸送電流 / 渦電流分布 / 改良プロープ法 / 三次元有限要素法 |
Research Abstract |
三次元的に分布する輸送電流及び渦電流の両方が考慮可能な数値解析法を開発し、超電導線と常電導線が接続される銅板の接続端子近傍の電流分布を解析するとともに、実験モデルを製作して、その有用性を検討した。 本研究の成果を要約すれば、以下のようになる。 1.超電導線接続部の三次元電流分布解析法の開発 磁気ベクトルポテンシャル及び電気スカラポテンシャルを未知変数として取り扱うA-φ法を用いた三次元有限要素法を開発した。本手法では、まず、抵抗分のみによって決定される輸送電流の三次元分布を、φのみを解くことによって求める。次に、その結果を入力電流として、A-φ-法により、超電導線と銅板の接続部近傍の渦電流を分布を求める。本手法を用いれば、輸送電流を求める場合には、導体部のみを有限要素に分割すればよいので、非常に短い計算時間で、輸送電流分布の解析が可能である。輸送電流及び渦電流を同時に解析する場合には、1節点当り、3成分のAと、それぞれの電流に対応するφの計5個の未知変数を定義して解かなければならないため、解くべき連立一次方程式の元数が膨大になり、実用的な解析は不可能であるが、本手法の開発によって、工学的に許される時間内で、充分な精度を有する解析が可能になった。 2.商用周波数における接続端子中の電流分布の測定 我々によって開発されたのミクロな電流分布の測定法(改良プロープ法)を、極低温下での銅板中の電流分布測定に適用した結果、液体ヘリウム温度での銅の抵抗率が常温のそれに比べて約1/100になるためにプローブの出力電圧も約1/100(約1μV)に低下し、常温では何ら問題のなかった改良プロープ法のS/N比の向上が必要であることが明らかになった。その対策法として、掛算器で同期検波を行うノイズ除去法を開発し、プローブの出力電圧に影響を与える、ツイストピッチ、引出線、導電塗料等の諸因子を検討した結果、約4%の精度で、電流分布の測定が可能になった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 高橋則雄,藤原耕二: "磁界問題の最適設計法" 第5回電磁界数値解析に関する若手セミナー講演論文集. 11-25 (1994)
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[Publications] 高橋則雄: "有限要素法と数理計画法を用いた非線形最適設計法の応用" 電気学会静止器・回転機合同研究会資料. 21-27 (1994)
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[Publications] 高橋則雄: "極低温下における微弱信号の測定" 1994年度秋季低温工学・超電導学会講演概要集. (1994)
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[Publications] 高橋則雄: "電磁界解析の方法とその応用" 電気学会論文誌D. 115. 1-12 (1995)
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[Publications] 高橋則雄: "交流超電導線と銅板端子の接続部の電流分布の解析及び実験との比較" 平7電気学会全国大会. (1995)
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[Publications] 高橋則雄: "アモルファス金属薄帯の低温時の鉄損特性" 平7電気学会全国大会. (1995)