1995 Fiscal Year Annual Research Report
電力系統の位相情報を用いない太陽光発電システムの開発に関する研究
Project/Area Number |
06650329
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山田 英二 長崎大学, 工学部, 教授 (00039661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 貴志 長崎大学, 工学部, 助手 (30222649)
泉 勝弘 長崎大学, 工学部, 助手 (50128154)
樋口 剛 長崎大学, 工学部, 助教授 (50156577)
辻 峰男 長崎大学, 工学部, 助教授 (80145218)
小山 純 長崎大学, 工学部, 教授 (00037920)
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Keywords | 太陽光発電 / 系統連系 / オブザ-バ / 最大電力制御 / インバータ |
Research Abstract |
電力系統に接続されたインバータ機器は,電源電圧と位相情報に基づいて動作している。太陽光発電システムも系統連系を行うときにはこれらの情報を必要とし,正確な位相情報が得られなければ,発電電力に対して多くの電流が流れ送電損失が大きくなる。また,最近では,系統に接続される電力用機器に対して,力率1で高品位の電流波形が求められている。しかし,電力系統のインダクタンスや系統に接続された他の電力用機器による電圧波歪みや位相遅れのため,太陽光発電システムは正確な電源情報を知ることは難しく,得られた位相情報の変動により,システムが不安定になる恐れがある。 そこで,正確な情報を得ることが難しい系統から直接位相を検出するのではなく,太陽光発電システムと系統のインピーダンス及び出力電流から,最小次元オブザ-バにより電源情報を推定する新しい方式を開発した。このシミュレーション結果により,系統の位相とその推定値が異なっていても速やかに系統の位相が推定できることを確認し,さらにステップ状に電源位相が変化しても追従できることを確認した。これにより,太陽光発電システムが系統から遠く離れているような系統インピーダンスが大きいときや,近くに大容量の負荷が存在して電源の波形歪みが大きくても,システムは安定に動作できる。 従来,太陽光発電の最大電力点追従制御は,常に太陽電池両端電圧の小刻みな変動を行い,その前後の値を比較することにより最大電力点に到達していた。この方式では,最大電力点に到達はできるが,変動を常に行っているため太陽光が一定であっても発電電力が脈動し,大きな照度の変化が有ったときには追従が遅い欠点があった。 本研究では,現在の動作点と微小変位によるその前後の計3点の電力を用いて最大電力を得る方式を開発した。これは電力曲線を2次関数で近似する方式であり,1回の演算で最大電力点近傍に達することが可能で,端子電圧脈動の回数を大幅に縮小できる。この方式と最小次元オブザ-バによる電源位相推定を組み合わせた実験装置を製作した。これを使った実験結果により,速やかに最大電力点に追従することと,従来方式に比較してはるかに少ない脈動であることを確認した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 久保 朋宏: "太陽光発電システムの最大出力制御に関する一方法" 平成6年電気学会産業応用部門全国大会論文誌. 543-546 (1994)
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[Publications] 山田 英二: "ニューラルネットを用いた太陽電池特性曲線のシミュレーション" 平成6年度電気関係学会九州支部連合大会論文誌. 233- (1994)
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[Publications] 辻 峰男: "オブザ-バを用いた電源電圧センサレスPWMコンバータ制御の一方式" 平成6年度電気関係学会九州支部連合大会論文誌. 251- (1994)
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[Publications] 辻 峰男: "Observer Based Source Voltage Sensorless Control for Voltage Source PWM Converter" 第13回計測自動制御学会九州支部学術講演会論文誌. 85-86 (1994)
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[Publications] 松尾 大輔: "ニューラルネットを用いた太陽電池最大出力点制御のシミュレーション" 平成7年電気学会産業応用部門全国大会論文誌. T-15- (1995)
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[Publications] 山田 英二: "ニューラルネットを用いた太陽光発電最大電力点追従制御" 平成7年度電気関係学会九州支部連合大会論文誌. 529- (1995)