1994 Fiscal Year Annual Research Report
柔軟構造磁気浮上車両における乗り心地改善とロバスト安定化のための研究
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06650335
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
中川 聡子 東京電機大学, 工学部, 助教授 (70134898)
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Keywords | 磁気浮上式鉄道 / 軽量車両 / アクティブサスペンション / 乗り心地 / H∞制御 / ロバスト制御 / 客車の振動 / 質量変動 |
Research Abstract |
平成6年度の研究進行状況は以下のようである。 本研究は磁気浮上系とサスペンション系に分割して研究が進められている。そこで、すでに製作を完了した磁気浮上装置に関連しては、 ・装置が2つの電磁石で浮上を行うことから、案内方向のバランス確保のため摩擦のほとんど無視できる2基のリニアベアリングで案内方向の補強を行った。 ・高速応答を要求される磁気浮上実験を行う必要から、高い周波数のキャリアをもつPWMチョッパアンプの製作を行った。制御系との関係から、制御入力信号は10V以下、出力は浮上用電磁石の励磁電流の関係から、数Vなる動作範囲を設定した。MOSFETにより160kHzのキャリアをもつ電源を構築することができた。 ・浮上装置の基本特性(電気特性および磁気特性)を測定し、制御系設計のためのシステムパラメータを決定した。一方、市販の線形ばねを含むサスペンション系に関しては、 ・空気シリンダ式のアクチュエータを用いることから、コンプレッサ、ドライア、フィルタ等を含む空気配給ルートを構成するための部材の購入を完了した。 ・空気圧制御のためのETRおよび加振器を購入し、シリンダの周波数応答特性から、制御系設計のためのシステムパラメータの決定を行った。 以上、浮上系およびサスペンション系のシステムモデルが完成したことにより、現在は、得られた基本特性と乗り心地基準から周波数重み関数W(S)を仮定し、これを用いて系の拡大化を行い、乗り心地改善とロバスト安定化のためのH∞補償器をいくつか設計し、シミュレーションによってこれらの評価を行っている段階である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 中川聡子: "軽量磁気浮上車両の乗り心地改善とロバスト安定性の研究" 電気学会論文誌D掲載決定. 119-3. (1995)
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[Publications] 中川聡子: "鉄道車両とアクティブ制振制御" 油空圧技術. 1月号. 40-43 (1995)
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[Publications] 蝦原崇、中川聡子: "軽量車両の乗り心地改善とアクチュエータの制御力についての考察" 電気学会LD研究会予稿集. LD 94. 25-32 (1994)
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[Publications] 中川聡子: "磁気浮上システムの制御技術、古典制御から現代制御まで" 産業応用全国大会シンポジウム予稿集(電気学会). 259-262 (1994)
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[Publications] 中川聡子: "ロバスト制御の産業応用" 電気学会技術報告. 498号. 33-36 (1994)
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[Publications] 蝦原崇、中川聡子: "軽量磁気浮上車両の乗り心地改善とロバスト安定性の追求" 電気学会産業応用部門大会予稿集. 946-951 (1994)