1994 Fiscal Year Annual Research Report
高性能性六方晶鉛フエライト薄膜創製における光照射の低温・高速形成におよぼす影響
Project/Area Number |
06650361
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
森迫 昭光 信州大学, 工学部, 助教授 (20115380)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 重人 信州大学, 工学部, 助手 (50262689)
榮岩 哲二 信州大学, 地域協同研究センター, 助教授 (60175528)
松本 光功 信州大学, 工学部, 教授 (80020981)
|
Keywords | 鉛フエライト / 六方晶フエライト / 酸化物磁性薄膜 / スパッタリング / 高密度記録媒体 / 鉛フエライト薄膜 / 紫外光照射 / 酸素ラジカル |
Research Abstract |
高密度垂直磁気記録媒体や高周波薄膜デバイスへの応用に有望な材料である六方晶フエライト薄膜の、スパッタ法による低温高速形成法の確立を目的として研究を行った。具体的にはバリウムフエライト薄膜の低温形成に効果的な添加元素として鉛を選び放電ガスの酸化反応性促進効果の検討を行った。ターゲット上の鉛片の面積を変化することにより化学量論組成の薄膜を形成することができた。しかしながら、この鉛の組成はアルゴンガスと酸素ガスの比や基板温度に大きく依存し、酸素分圧の高い領域や低温度で薄膜中の鉛濃度は増加することが明らかになった。従来の研究ではバリウムフエライト薄膜の結晶化温度は約620℃程度であったが、この鉛を添加することで化学量論組成において550℃に低下する。次に、本研究の主題でもある鉛フエライト薄膜について検討を行った。さまざまな条件を検討したが六方晶鉛フエライト単相薄膜は、現在のところ原因は明かではないが得られず、六法晶とスピネル相またはαフエマタイト相の混相となっている。次に活性化酸素並びにオゾンの効果について検討した。活性化酸素やオゾンはN2Oガスとアルゴンガスの放電ならびに紫外光を照射することにより形成できると考え、特に酸素原子励起種に関連したプラズマ分光とガス分析並びに薄膜形成を行った。その結果490℃程度の基板温度で六方晶フエライトを形成できること及び薄膜形成速度のわずかな増加が認められた。プラズマ分光の結果N2Oガスを混合することにより波長が437nm近傍に活性化酸素に起因すると考えられる励起線が微弱ではあるが観察された。また四重極質量分析計を用いたガス分析の結果、紫外線照射により生成されたと思われるオゾンの存在が確認された。今後は多量のオゾンの生成法に関する研究を展開していく必要がある。
|