1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650370
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
上原 信吾 成蹊大学, 工学部, 教授 (40232780)
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Keywords | 歪量子井戸 / 短光パルス / キャリア寿命 / 干渉法 |
Research Abstract |
本研究の第1の目的は、量子井戸層内でのサブns領域のキャリア再結合速度の定量的評価技術を確立することにあった。今年度は、このための基礎検討として、歪量子井戸レーザからの高出力短パルス発生法、光パルス干渉法に関する検討を行った。すなわち、利得スイッチ法を用いることにより、キャリア励起に必要な、発振波長950nm程度、繰り返し500MHz以下、パルス幅100ps以下、ピークパワー100mW以上の高出力パルス発生が可能であることを明らかにした。また、キャリア再結合検出のキ-ポイントとなる光パルスの遅延干渉に関する基礎実験を行い、1ps以下の時間分解能でかつ高感度な干渉出力検出系を実現した。更に、以上の実験データをもとに、キャリア誘起干渉信号の大きさに関する定量的検討を行った。その結果、想定される信号は極めて微弱であり、キャリア励起光の効率的な利用、干渉計の感度・安定性の向上、などによる検出系のS/Nの向上が重要であることが明かとなった。これに対する対策として、光ファイバ結合器、先球ファイバの利用、ファブリペロ-干渉法の利用など新たな手法の導入に関して検討を開始した。 来年度は、先ず、今年度の検討を継続し、上記諸手法の導入により検出感度、安定性などの諸問題を解決し、キャリア再結合速度の高精度測定法を完成させる。次のステップとして端面でのキャリア再結合速度同定法の検討を行う。これは実測データからバルクの寄与と表面の寄与を分離する方策の検討であり、サンプルの形状依存性がポイントとなるものと考えている。最終ステップとして、表面再結合のデータをもとに試料製作条件との対応、信頼性データとの対応付けを行うことにより研究の学術上、応用上の完成度向上を図る予定である。
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