1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650370
|
Research Institution | SEIKEI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
上原 信吾 成蹊大学, 工学部, 教授 (40232780)
|
Keywords | 量子井戸 / 短光パルス / キャリア寿命 / 干渉法 |
Research Abstract |
高出力の短光パルスの発生,干渉系の基礎検討など昨年度の検討結果を踏まえて量子井戸構造におけるサブナノ領域でのキャリア寿命測定技術の検討を進展させ,以下の結果を得た. (1)In GaAs/GaAs歪量子井戸レーザの利得スイッチングによって,ピークパワー600mWという高出力の短光パルスが発生できることが明らかとなった。 (2)レーザ光をプローブとして,プラズマ効果による屈折率の変化を干渉効果により強度変換することにより半導体光導波路中のキャリア密度を検出できることを明らかにした. (3)以上の結果をもとに,光導波路中のキャリアのサブナノ秒レンジの時間的変化を測定する手段の基本動作を確認した. これらの結果では,キャリア寿命の信頼のおける測定技術の確立にまではいたっていないが,これに対する充分な見通しを与えるものであり,また,ピコ秒領域での新しいキャリア寿命測定法の可能性を示唆するものであるという点に意義を見い出すことができる. さらに,本研究の最終目的は上記技術を歪量子井戸レーザに適用して歪量子井戸における端面の影響に関する知見を得んとするところにあったが,残念ながらこの点に対する検討にまでいたることはできなかった.しかしながら,上記の検討によりその進展の糸口が得られたわけであるから,今後さら本研究を継続して初期の目的の達成に努める予定である.
|