1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650395
|
Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
大澤 潤 豊田工業大学, 工学部, 助教授 (20176861)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土田 縫夫 豊田工業大学, 工学部, 教授 (40023246)
|
Keywords | 光可変抵抗素子 / 電荷蓄積 / ガリウム砒素 / 鉄拡散 / pn接合 |
Research Abstract |
本年はまず、現有の液相エピタキシャル成長装置を用いてGaAsのn^-/n^+層構造を成長し、塗布膜からの鉄拡散技術によってπ/n^+ダイオード構造を作製し、その電流電圧特性を評価した。そして、このプロセスの展開により目的のπ/n^+/π構造を作製することができた。この過程で、n^-層をπ層に変えるため、ドナー不純物を補償反転する鉄拡散処理の解析が必要になり、鉄拡散GaAs中の鉄濃度分析を二次イオン質量分析法によって行なった。これにより、拡散温度700-900℃で10^<17>-10^<17>/cm^3程度の濃度をもち、従来にない均一な分布をした鉄アクセプタが導入できることが判明した。この結果は、現在応用物理学会欧文誌に投稿中である。 次に、このウエハを用いた電荷蓄積素子において、π/n^+/π構造へのバイアス電圧印加による空乏層幅の変化を、表面π層の電気伝導度の変化によって評価した。素子構造は厚さ0.7μmのπ層表面に5-15μmのギャップをもつ一対の電極を、また、素子裏面にはバイアス電圧印加のための電極を形成したもので、いずれもAuZu/Auオーム性電極である。実験の結果、表面対電極間の電気伝導度がバイアス電圧印加後減少し、光照射により回復することが確認できた。電圧印加によりn^+層に電荷が蓄積され、π層の空乏層幅が変化したためと考えられる。しかし、この変化は約15%と小さかった。その原因は、π/n^+/π構造の電圧降伏のためにバイアス電圧が制限されたためである。理論的検討により、π/n^+/π構造に十分な電荷を蓄積し空乏層を広げるには、約10Vのバイアス印加が必要であることが判明した。今後、鉄濃度を下げる、および、ダブルヘテロ接合π/n^+/π構造を採用するなどの方策によりこの点を改善する。
|
-
[Publications] J.Ohsawa: "Fast Photoconductive Photodetectors Employing Iron-Diffusion into Epitaxial GaAs" Abstracts of International Conference on Applications of Photonic Technology. (1994)
-
[Publications] 松葉 知佳: "Fe拡散GaAs pn接合ダイオードの検討" 第41回応用物理学関係連合講演会講演予稿集. 1159 (1994)
-
[Publications] 松葉 知佳: "Fe拡散GaAs pn接合ダイオードの検討(2)" 第55回応用物理学会学術講演会講演予稿集. 1074 (1994)
-
[Publications] 根角 昌伸: "Fe拡散GaAs層を用いた高速光伝導型光検出器(2)" 第55回応用物理学会学術講演会講演予稿集. 905 (1994)
-
[Publications] 片山 典浩: "Fe拡散GaAs層を用いた高速光伝導型光検出器(3)" 第55回応用物理学会学術講演会講演予稿集. 905- (1994)
-
[Publications] 根角 昌伸: "Fe拡散GaAs層を用いた高速MSM光検出器における暗電流" 第42回応用物理学関係連合講演会講演予稿集. (予定). (1995)
-
[Publications] マイクロマシン研究会編(土田ほか): "ミクロをめざすニューアクチュエータ(新原理で次世代を拓く)" 工業調査会, 210
-
[Publications] 電子デバイス活用辞典編集委員会編(大澤ほか): "電子デバイス活用辞典" 工業調査会, 348