1995 Fiscal Year Annual Research Report
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06650410
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Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岩垂 好裕 名古屋大学, 工学部, 教授 (00232687)
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Keywords | スペクトル拡散通信 / 搬送波周波数偏差 / M進直交通信方式 / 巡回性H行列 / 自己検査回路 / アダマ-ル符号 / LSIテスト / 2次元M平面 |
Research Abstract |
先ずスペクトル拡散通信方式については、搬送波周波数偏差に強いM進直交通信方式について研究を行なった。搬送周波数偏差が存在する場合、送信信号出力が減少し、スプリアス成分が非送信信号出力として現われる。この成分に対抗するためには、復調器での乗算課程後の周波数スペクトルが1)十分に拡散している、2)特定の帯域にピークを持たず、3)低い電力密度を持つこと、が重要であることがわかった。そしてこのような直交符号として、心行列がM系列で構成される巡回性H行列が適していることがわかった。そしてこの信号を用い、この信号に適した復調器を用いると、搬送周波数偏差に強いシステムが構成されることがわかった。 自己検査性検査回路の設計については、通信、信号処理、ディジタル論理回路構成等に多用される、アダマ-ル符号の自己検査性検査回路の設計法を研究した。この符号は符号長に比較してその符号語数が極端に少なく、従来の設計手法では検査回路の設計が行なえなかった。研究の結果p=8m+3という形の素数を次数として持つアダマ-ル符号の場合、差集合の性質を用いて設計が行なえることを明らかにした。 最後にSLIテストにおいてはテスト入力としてランダム性の強い入力が大変重要になる。そこで、二次元のM平面から得られる系列をテスト入力として用いる研究を行なった。この系列について種々のランダム性のテストを行なうと、大変良好な結果が得られ、テスト系列として、一次元M系列の部分系列より優れたものになることが明らかになった。
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[Publications] Y.Kamiya,T.Miki and Y.Iwadare: "“Randomness Properties of Partial γ-β Planes as LSI Test Inputs and Their Implementations"" PROCEEDINGS OF THE 11TH AAECC SYMPOSIUM,PARIS,FRANCE. 297-305 (1995)
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[Publications] 脇田直樹,高木健一,岩垂好裕: "アダマ-ル符号に対する自己検査性検査回路の実現法" 信学技法. FTS95-31. 1-8 (1995)
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[Publications] 青山健治,中島又腸,岩垂好裕: "組織符号の検査ビットを用いた署名解析法の研究" 信学技法. FTS95-32. 9-16 (1995)
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[Publications] 西永望,岩垂好裕: "搬送周波数偏差を伴うM-ary/ss通信方式の性能劣化に関する一考察" 信学技法. SST95-56. 67-72 (1995)
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[Publications] 西永望,岩垂好裕: "巡回性アダマ-ル行列を用いたM-ary/ss通信方式における搬送周波数偏差の影響" 第18回情報理論とその応用シンポジウム予稿集. 601-604 (1995)
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[Publications] 小田隆弘,中島又腸,岩垂好裕: "M平面を用いたBIST作用ラストパターン生成器の評価" 第34回FTC研究会予稿. (1995)