1996 Fiscal Year Annual Research Report
超広帯域、超短パルスが平面回路線路の電力漏洩現象に起因して呈する波形歪みの研究
Project/Area Number |
06650431
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
繁沢 宏 同志社大学, 工学部, 教授 (10066251)
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Keywords | 超短パルス / 平面回路 / 電力漏洩現象 / 波形歪み / チャープ的歪み / スペクトルギャップ / 同時伝搬現象 |
Research Abstract |
平成8年度では平成7年度の成果をもとに、超短パルス波形の歪みの要因と成りうる現象についてさらに詳細な検討を行った。その成果は以下の大きな2つの事柄に纏められる。 1.同時伝搬現象を呈する平面回路を伝搬する超短パルスのチャープ波形的歪み 分散特性の上で導波モードと漏洩モードがある周波数帯にわたって同時に伝搬し得る構造の平面回路線路を超短パルスが伝搬するすると、パルス尾部に正弦波状の減衰振動的歪みが現れることを見い出した。そしてこの減衰振動的歪みは時間遅れにともなってより高い周波成分から成っている一種のチャープ的波形になることを見い出した。さらにこの特徴ある減衰振動的歪みが同時伝搬現象が存在する帯域幅とその中に含まれるパルススペクトル強度とによって大きく左右されることを物理的、数値的に示した。 2.複数の漏洩波間に存在するスペクトルギャップの発見と超短パルスの波形歪み 使用するパルスのスペクトルがミリ波乃至はそれ以上の周波数帯にまで広がると、漏洩現象は基本表面波によるほかに、高次表面波によっても発生する。その際、これら二つ(一般的にはさらに多くのもの)の形の漏洩現象が物理的なモードの伝搬現象として観測不能となる周波数範囲が存在することを発見した。そして、このスペクトルギャップ現象に影響される場合の超短パルスの波形歪みについて検討を行ってきた。 今後の研究の展開 前項2において発見した現象をも含む平面線路における超短パルス伝送に関する問題を深く研究したい。さらに、導体損失の周波数依存性による超短パルス歪み問題についても合わせて研究を深めたい。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Tsuji: "A New Type of the Narrow Pulse Distortion caused by the Simultaneous Propagation Effect of Both Bound and Leaky Modes on Printed-Circuit Transmission Lines" IEEE/MTT-S Intern'l Microwave Symposium Digest. 179-182 (1996)
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[Publications] H.Shigesawa: "New Improper Real and Complex Solutions for Printed-Circuit Transmission Lines and Their Influence on Physical Effects" Radio Science. 1639-1649 (1996)
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[Publications] M.Tsuji: "Extinction of Lossy Conductors and its Effect on the Resonant Characteristics of Strip-Patch Resonators" Proc.of 26th European Microwave Conference. 714-717 (1996)
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[Publications] M.Tsuji: "The Spectral Gap When Power Leaks into More Than One Type of Surface Wave on Printed-Circuit Lines" IEEE/MTT-S Intern'l Microwave Symposium Digest. (in print). (1997)
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[Publications] H.Shigesawa: "New Improper Real Solution in the Nonphysical Region : A Moderator betwee the Spectral Gap and Simultaneous-Propagation Effects" Proc.of Progrees in EM Research Symp.(in print). (1997)
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[Publications] M.Tsuji: "Time-Domain Approach to Power-Leakage Effect and Its Related Problems" Proc.of Progrees in EM Research Symp.(in print). (1997)