知識ベースとファジィ統計に基づく衛星画像処理による湖沼の水質分布解析法の開発

1994 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 06650437
• Research Institution: Akita University
• Principal Investigator: 西田 眞 秋田大学, 鉱山学部, 助教授 (70091816)
• Keywords: リモートセンシング / 衛星画像 / 水質分布 / ファジィ回帰分析 / ファジィ統計 / レベルスライス処理 / 可能性分布図 / 知識ベース

Research Abstract

本年度は秋田県八郎湖を対象とし,リモートセンシングデータによる水質分布解析へのファジィ統計の適用の可能性と,ファジィレベルスライス処理法の開発を行った。本年度の成果の要点は次のようになる。
1.ファジィ統計解析を試みた結果,水質の濃度変化が比較的広いSSとT-Pに関して解を得ることができた。
2.ファジィ回帰分析によって解が得られた組み合わせと,従来の回帰分析によって得られた相関係数の値とは必ずしも対応せず,相関係数が低い場合であってもファジィ回帰分析によって解を得ることができた。この結果,水質分布の解析にファジィ統計を適用できることが明らとなった。
3.従来のレベルスライス処理法で作成した水質分布図は,実測された水質データから予測される結果とは異なるものであった。これに対して,本研究で考案したファジィレベルスライス処理法によって得られた可能性推定分布図は,水質の実測データから予測される範囲と符合し,妥当な推定結果を得ることができた。さらに,スライス法では得られない中間的な汚濁レベルも良好に推定可能であること等の利点も明らかとなった。
4.ファジィレベルスライス処理で得られた水質分布図は専門家の知識と良好な一致を見ることができ,本研究の提案法が水質分布図を作成する有効な手法となりうることを明らかにした。
5.以上,平成6年度中に,エキスパートの言語的知識の収集,少数の解析データのファジィ数への変換等の技術開発は概ね達成した。また,ファジィ相関解析法の水質分布解析への有効性の確認もでき,ファジィレベルスライス処理法の基礎的な技術開発も概ね終了した。

Research Products

• [Publications] Makoto Nishida: "Fuzzy Regression Analysis for Water Quality of Lake Hachirou with Satellite Remote Sensing Image" Second Internatioal Conference on Materials Engineering for Resources. 37-38 (1994)
• [Publications] 西田 眞: "衛星画像データによる水質分布解析へのファジィ回帰分析の適用と可能性分布図の作成" 電気学会論文誌. 115-C. 381-388 (1995)