1994 Fiscal Year Annual Research Report
時間/周波数変換領域混合モード回路シミュレーションシステムに関する研究
Project/Area Number |
06650441
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
浅井 秀樹 静岡大学, 工学部, 助教授 (40175823)
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Keywords | 回路シミュレーション / 伝送線路 / 波形緩和法 / マクロモデル / 時間域 / 周波数域 |
Research Abstract |
集積化技術やプリント基板技術の進歩に伴い、従来の集中定数系モデルを用いた時間領域回路シミュレーション方式では、解析精度/解析速度の両面で限界が近づいている。今後、回路シュミレータには、1)配線を伝送線路と見なすような詳細な検証が行えること、2)大規模な回路を一括して検証できること、等が要求される。そこで、本研究においては、まず、 1)について、集中定数系部分回路間の配線を特性インピーダンスモデルによりモデル化することで、伝送線路部での回路分割を可能とし、波形緩和アルゴリズムにより高速なシミュレーションを実行できるシミュレータについての検討を行った。伝送線路部の周波数依存性に対しては、伝搬定数を級数展開とpade近似を用いて梯子型回路に変換することにより時間領域解析を可能とした。また、波形緩和アルゴリズムの収束性を向上させるために、線路遅延毎に解析窓を分解する手法を提案し、その有効性を検証した。最終的に、回路図編集、ネットリストの生成、波形緩和法による数値シミュレーション、結果表示を一括して扱うことのできる伝送線路回路シミュレータDESIRE3T+を構築した。 一方、大規模な回路を詳細に解析することは、現実的には困難であるため、回路の部分ブロックをマイクロモデル化する方法を考えられる。そこで、2)について、集中定数系部分のモジュールの入出力インピーダンスや信号遅延を考慮した、二端子対マクロモデルについて検討した。本手法によれば、複数の節点からなる部分回路を二端子対モデルに置き換えるため、回路行列のサイズを縮小することが可能となる。従って、波形精度を落すことなく、詳細回路シミュレーションが従来の回路シミュレータに比べて数倍高速に行える。現在、本モデル化を組み込んだ階層分割手法に基づく回路シミュレータのプロトタイプを構築中である。
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Research Products
(2 results)