1994 Fiscal Year Annual Research Report
縦振動水晶振動子を用いた触覚センサシステム基礎研究
Project/Area Number |
06650460
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
伊藤 秀明 信州大学, 工学部, 助教授 (60143989)
|
Keywords | 縦振動水晶振動子 / 触覚センサ / 周波数変化 / メイソン等価回路 / 粘弾性体 |
Research Abstract |
縦振動水晶振動子にメイソン等価回路モデルを適応して解析を行ない、縦振動水晶振動子の等価回路を求めた。接触した物体が半無限の粘弾性体で、球が振動しているときの音響インピーダンスをR.N.Arnoldらが既に求めているので、この解析式を縦振動水晶振動子に適応してメイソン等価回路に組み込んで周波数低下とインピーダンス増加の理論式を求めた。更に、測定対象物として粘弾性体であるシリコンゴムのポアッソン比を文献になる値0.49から体積弾性率を求め、体積弾性率を無限大として近似した周波数低下の理論式を求めた。シリコンゴムでは周波数低下はシリコンゴムの剛性率と密度に依存することが判明した。周波数シンセサイザとベクトル電圧計を組み合わせて共振法によって硬さを変えたシリコンゴムに接触したときの周波数低下とインピーダンス増加の測定値を求めた。硬さを変えたときのシリコンゴムの周波数低下は本研究で求めた理論式で定量式に一致した。インピーダンスについては測定物へ接触させる方法や測定系も含めて現在検討中である。 約614kHzで動作する自励発振回路を開発した。硬さを変えたシリコンゴムに接触させたときの周波数変化量が時間経過とともに軟らかいシリコンゴム程増大して一定値に収束することが分かりΔf=k+αe^<(-t/r)>の形の指数関数近似で表せることが分かった。定数kは硬さ軟らかさに依存することが判明した。α、τについてはその物理的意味を現在検討中である。
|