1994 Fiscal Year Annual Research Report
パルプスラッジ焼却灰のコンクリート混和材としての利用に関する研究
Project/Area Number |
06650502
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
太田 実 金沢工業大学, 工学部, 教授 (20139744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 幹雄 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (30175666)
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Keywords | 産業廃棄物 / パルプアッシュ / コンクリート混和材 / 粉末度 / ワ-カビリティー / 圧縮強度 |
Research Abstract |
2社・5工場産のパルプスラッジ焼却灰(パルプアッシュ)原試料を,平成6年度に本研究費により購入した微粉砕機(ハンマーミル)を用いてそれぞれのアッシュの最適粉末度と目された4000〜8000cm^2/gの範囲内の2水準の粉末度に粉砕し,それらをセメント質量の10および20%と置換して混入したフレッシュコンクリートのワ-カビリティーと硬化コンクリートの圧縮強度を調べ,予想されたアッシュの最適粉末度の妥当性を検証した。圧縮強度試験は材令365日(平成7年度実施)まで継続されるが,平成6年度に得られた試験結果の範囲内でつぎの知見が得られた。 1.単位水量を一定とした水セメント比40,50,60%のコンクリートにおいて一定スランプを得るための高性能減水剤量はアッシュ粉末度が大きい方が少ないが,一定空気量を得るためのAE剤量は多くなる傾向があり,所要混和剤量からアッシュの最適粉末度を特定することは困難である。 2.材令28日以上における圧縮強度は,アッシュをセメント質量の20%と置換した場合でも総じてアッシュ無混入のそれと同等またはそれ以上を発現し,セメント1kg当りの強度も無混入のそれを上回っていてアッシュの混入がコンクリートの経済性を損なうことはないことが明らかになった。各アッシュ2水準の粉末度の違いによる有意な強度差は認められず,各アッシュについて当初予想した粉末度がほぼ最適であることが確かめられた。 以上のような結果から,微粉砕したパルプアッシュはセメントの20%程度までと置換しうる混和材として利用できる可能性が一層高まったが,アッシュ混入コンクリートのワ-カビリティー改善の別策として平成7年度には高性能AE減水剤を用いた試験を試みる計画である。
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