1996 Fiscal Year Annual Research Report
高炉スラグ高含有コンクリートの有効利用に関する基礎的研究
Project/Area Number |
06650505
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Research Institution | WAKAYAMA NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
戸川 一夫 和歌山工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (80043537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中本 純次 和歌山工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (70043552)
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Keywords | スラグ微粉末 / 置換率 / 粉末度 / 始発 / 終結 / ブリーディング / 水和 |
Research Abstract |
打設後のコンクリートの性状は、養生方法の選択や打設サイクルなど施工形態に大きく影響する。本研究は、高炉スラグ高含有コンクリートの有効利用をはかるために、フレッシュコンクリートのブリーディング特性ならびに凝結特性に与えるスラグ粉末度およびスラグ置換率の影響について実験的に検討した。 本年度の研究成果を要約すると以下のとおりである。 (1)いずれの置換率においても、スラグ粉末度が高くなれば充填性の増加および水膜厚さの減少と析出サイトの増加による水和反応の促進により始発・終結時間は早くなるが、粉末度が6140cm^2/g以上になると始発・終結時間に大きな差は見られなくなる。高炉スラグ高含有コンクリートの凝結特性の改善をはかるためには、スラグ粉末度を6140cm^2/g以上とする必要がある。 (2)ブリーディング量は、スラグ粉末度および置換率が高くなれば小さくなる。これは、粉末度の増加による水膜厚さの減少と粒子の凝集や初期水和反応の促進に伴なう架橋構造の形成のためである。また、スラグ無置換のコンクリートよりブリーディング率を低くするためには、スラグ粉末度6140cm^2/g以上のものを用いる必要がある。 (3)始発・終結時間と水和発熱曲線におけるピーク発現時間との関係は、始発・終結時間が早くなればピーク発現時間が早くなり、比例関係が認められる。 (4)スラグセメントペーストおよびコンクリートの凝結試験において、始発時間はいずれの粉末度の場合も置換率70%までは、置換率の増加につれて遅くなるが、70%から85%にかけては大きな変化はなく、95%になるとむしろスラグ無置換のものよりも早くなる結果となった。
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Research Products
(2 results)