1994 Fiscal Year Annual Research Report
鋼橋の省力化構造システムとたわみ設計法の開発に関する基礎研究
Project/Area Number |
06650513
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
長井 正嗣 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (20207971)
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Keywords | 耐久性 / 設計法 / 新形式橋梁 / 疲労 / 省力化 / 合理化 |
Research Abstract |
本研究では,橋のなかで最も需要の多いI桁橋を対象に,橋を構成する部材数を徹底的に少なくした省力化構造,すなわち無補剛構造の開発と,あわせその設計法の開発を行う. 本年度は,橋の立体的挙動を解明するためのFEM解析を行った.まず,大次元のFEMモデルを作成し,疲労発生と密接に関連する橋の局所応力を同時に考慮できるモデル化の検討を行い,簡易モデルの作成手法を確立した.次に無補剛化の可能性を探るために,簡易モデルを用いて,補剛部材を徐々に撤去し橋の全体と局所の挙動を検討した.この結果,ラテラルや対傾構といった部材の撤去によっても疲労発生に密接に関連する局所応力があまり増加しないこと,かえって減少する場合もあることを明らかにした.あわせ,床版厚を厚くすることによって,増加した局所応力を低減できることを明らかにした.これより,ほとんど無補剛の省力化橋システムの可能性があると考えられる. 以上は従来形式の橋構造を対象とした検討であるが,最近注目されている桁本数をも最小化した2主桁橋に着目した基礎的検討を行った.すなわち,2主桁橋の横方向の補剛材の配置,形状等をパラメータとし,橋の全体および局所応力との関係を明らかにするためにFEM解析を行った.この場合も,横補剛材の配置や形状が全体挙動に与える影響は小さいことを明らかにした.局所変形については,パラメータによる差異が比較的小さいものの,この応力が疲労と密接に関連することから,更に詳細に検討を行うこととしている.
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[Publications] 長井正嗣: "Structural characteristics of I-girder steel bridges with simplified transverse-stiffening systems" Proc.of the 5th East Asia-Pacific Conference on Structural Engineering and Construction. (1995)
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[Publications] 長井正嗣: "On finite element modeling of I-girder steel bridges for prediction of forces in secondarg stiffening members" Proc.of the 5th East Asia-Pacific Conference on Structural Engineering and Construction. (1995)
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[Publications] 長井正嗣: "300年耐用鋼道路橋の疲労設計法" 鋼構造年次論文報告集. 2. 643-650 (1994)
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[Publications] 長井正嗣: "フランスの鋼・コンクリート合成2主桁橋梁の設計指針" 橋梁と基礎. Vol.29. 33-41 (1995)
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[Publications] 長井正嗣: "300年橋梁の疲労設計について" 土木学会第49回年次学術講演会概要集第1部. 298-299 (1994)