1996 Fiscal Year Annual Research Report
複合アスファルト舗装版を用いたジョイントレス橋梁伸縮装置部の簡易施工方法の開発
Project/Area Number |
06650515
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Research Institution | YAMANASHI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
杉山 俊幸 山梨大学, 工学部, 助教授 (50143954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深沢 泰晴 山梨大学, 工学部, 教授 (90020354)
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Keywords | 道路橋 / 伸縮装置 / ジョイントレス橋梁 / 複合アスファルト舗装版 / 合成樹脂グリッド |
Research Abstract |
道路橋のノ-ジョイント化を図るために提案した合成樹脂グリッド補強アスファルト舗装版を用いた伸縮装置の機能・耐久性が施工の良否に大きく影響を受けないようにするために施工のプレキャスト化を図った場合の力学特性、特に圧縮を受ける場合の挙動・座屈性状を、室内実験により把握した。その結果、(1)合成樹脂グリッドの配置・層数に関しては、上下2層に配置した方がアスファルトとの分離が生じにくい傾向を示すものの、アスファルト自体が均一な材料でないこともあって実験結果のばらつきが大きいこと、(2)座屈荷重の理論値と実験値を比較すると、後者は前者の50〜90%程度の値を示しており、座屈に関しては、供試体の支持条件と有効座屈長の評価が重要となること 等が明らかとなった。また、これと平行して、ひび割れ発生後の塑性化したアスファルトの引張り挙動および圧縮挙動が追跡できるような有限要素法を用いた構造解析プログラムの開発に努めたが、ひび割れ発生後の塑性化したアスファルトの引張り挙動の追跡(実験結果のシミュレート)が精度良くできず、圧縮挙動を追跡するまでに至らなかった。ただし、ひび割れ発生までの挙動がかなり精度良く追跡できていることから、複合アスファルト舗装版を接着剤で鋼板に定着する場合の定着面の範囲について検討した。その結果、複合アスファルト舗装版どうしの接着面から2cmほど離れた位置まで接着剤を塗布した場合に舗装版内のひび割れ発生の分散効果が高いことが解析結果として得られ、実験結果と一致することが確認できた。 この有限要素法による解析に関しては、鉄筋コンクリートの破壊状況をシミュレートするために現在検討が進められているひび割れ回転モデル、あるいは、不連続ひび割れ回転モデルの組込みを今後試みていくと、ひび割れ発生後の挙動がある程度の精度で追跡できるのではないかと考えている。
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