1995 Fiscal Year Annual Research Report
数値流体解析結果から得られる耐風特性を橋梁の耐風設計へ適用するための研究
Project/Area Number |
06650526
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
平野 廣和 中央大学, 総合政策学部, 助教授 (80256023)
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Keywords | 数値流体解析 / 耐風設計 / コンピュータ・グラフィックス |
Research Abstract |
数値流体解析は、活発に行われるようになってきているが、橋梁の耐風性問題の場合は、橋梁断面が非線形型でスケールが大きいこと、風が制御されていない乱流であること、さらに空力弾性問題に主要な工学的感心があること等々困難な要因がある。さらに、最も大きな問題は、解析で得られた結果と実際の設計との連携も十分に確立されていないことである。よって、本研究の目的は、これまでの解析手法の研究成果を踏まえた上で、解析で得られた耐風設計上必要な結果をリアルタイムにビジュアル化し、実際の耐風設計に即座に反映できる有効な手法を開発することにある。 まず、2次元問題に限定し、流速・圧力・橋梁断面に作用する力ならびに橋梁断面の振動応答を解析する数値流体解析のソフトウェアーの開発を行った。さらに、結果のビジュアル化手法に関しても開発を行った。さらに、開発された手法を、3次元の問題に拡張する事を行なった。 一方、実際の橋梁への適用も同時に検討を進めた。実際の問題では、現在、大型斜張橋の並列ケーブルで発生しているウェーク・ギャロッピング現象に着目し、この現象解明のために、本研究での成果を適用した。斜張橋の並列ケーブルを2次元の近接する並列円柱複数構造物としてモデル化し、迎角と加振振幅をパラメータとして、静止した状態および後方円柱を強制加振した状態での並列円柱まわりの流れの解析とビジュアル化を行た。この結果から、わずかな迎角や振幅の変化により円柱間の流れの特性が変化し、これにより後方円柱の平均揚力係数と減衰率が大きく変化することを掴んだ。この現象がウェーク・ギャロッピング現象の起振力となりえるかどうかに関しは、現在考察中である。
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[Publications] 平野廣和: "近接する並列円柱の空力特性に関する数値流体解析" 日本風土学会誌. 64. 19-27 (1995)
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[Publications] 平野廣和: "近接する並列円柱の空力応答特性に関する数値流体解析" 土木学会構造工学論文集. 41A. 0-8 (1996)
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[Publications] Hirokazu Hirano: "Finite Element Analysis of Fluid-Structure Interaction Problem and Its Application to Wind Resistance Deaign of Box Girder Bridge" Finite Elements in Fluids. 9-1. 729-736 (1995)
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[Publications] 平野廣和: "近接する並列円柱の強制加振時の空力応答特性に関する数値流体解析" 土木学会第50回年次学術講演会共通セッション概要集. 90-91 (1995)