1994 Fiscal Year Annual Research Report
ボルト締めストップホール法による疲労損傷の補修とその評価に関する研究
Project/Area Number |
06650528
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
森 猛 法政大学, 工学部, 助教授 (10157860)
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Keywords | 疲労亀裂 / 補修 / ストップホール / ボルト締め / 疲労強度 / 応力集中 |
Research Abstract |
疲労亀裂の先端に円孔を明け、さらに円孔をボルト締めすることによる補修方法(ボルト締めストップホール法)を採り上げ、この方法により補修した疲労損傷部材の疲労強度を定量的に評価するための手法を構築すること、またその際の適切な補修条件を提示することを目的として、平板に一つの円孔を明けてそれをボルト締めした場合の円孔での応力集中係数について応力解析と応力測定試験から検討し、以下のことを明らかとした。 (1)ボルトの締め付け力が高くなるにしたがって応力集中は緩和される。 (2)平板の厚さが小さいほどボルト締めによる応力集中の緩和が顕著となる。 (3)円孔径(ボルト径)が大きいほど応力集中の緩和が顕著となる。 (4)ボルトワッシャーと母板は一体ではなく、微小な滑りが生じる。 (5)応力解析においては、微小な滑りをヤング率の低い材料を挟むことにより、またそのヤング率は接触圧に比例するとすることにより、実験結果を再現することができる。 (6)ワッシャーと母板の間に添え板を挟むことにより、さらにボルト締めによる応力集中の緩和は増大する。さらに、種々の条件下で行なった実験の結果と応力解析の結果を整理することにより、板厚・円孔径・ボルト軸力をパラメータとしたボルト締めストップホールの応力集中係数を求めるための数式を示した。 面外ガセット溶接継手をモデル化した3種類の試験体(処女の継手、疲労亀裂をストップホール法で補修した継手、ボルト締めストップホール法で補修した継手)を製作し、疲労試験を行なった。その結果、ボルト締め試験体の疲労強度は、その実質の断面積が半分近くになっているにもかかわらず、処女継手よりも高いこと、またその差は長寿命域ほど顕著となることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)