1995 Fiscal Year Annual Research Report
サーマルおよびプルーム先端部の連行量ならびに特性量の普遍的定量化に関する研究
Project/Area Number |
06650568
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
秋山 壽一郎 九州工業大学, 工学部, 助教授 (20192916)
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Keywords | 密度流 / 重力密度流 / 傾斜サーマル / 傾斜プルーム / 連行係数 / 予測モデル |
Research Abstract |
平成7年度では、傾斜サーマルについて理論的・実験的研究を行った。さらに、傾斜ブルーム先端部と傾斜サーマルの特性量の相違についても比較検討した。以下、具体的な研究成果について報告する。 (1)傾斜サーマルの流動特性について サーマル形状、層厚変化率、先端移動速度、平均浮力、Overall Richardson数、連行係数などの特性量を底面傾斜角度θ=5〜90°の範囲において普遍定量化した。傾斜サーマルの先端移動速度、平均浮力およびOverall Richardson数の特性についてはこれまで全く解明されておらず、本研究結果が唯一のものである。また、連行係数については、全く異なる2通りの方法で算定することによって、その信頼性を高めた。結果的に両者はほぼ一致し、底面傾斜角度に対して線形的に増大することが解った。これより、従来の連行係数は約50%も過大評価されていることが明らかとなった。 (2)傾斜サーマルの予測モデルについて 層厚、先端移動速度および浮力の挙動を予測できる積分型予測モデルを新たに構築した。本モデルの特徴はこれまで全く解明されていなかった運動方程式中の抵抗係数値が底面傾斜角度θ=5〜90°の範囲で定量化されていることである。得られた抵抗係数値は完全乱流状態において、底面傾斜角度に依存せずほぼ一定であり、同様な形状を有する固体の抵抗係数より小さい値を取ることが明らかとなった。さらに、予測モデルの適用に当たって極めて重要となる仮想原点位置についても底面傾斜角度θ=5〜90°の範囲で定量化を行った。本モデルを仮想原点から適用し、実験値と比較検討した結果、本モデルは傾斜サーマルの流動特性を極めて精度良く予測できることが確認された。 (3)傾斜サーマルと傾斜プルーム先端部の流動特性量の比較について 傾斜サーマルと傾斜プルーム先端部の流動特性量の直接比較を試み、次のような知見が得られた。形状およびそれに関する特性量は、両流れにおいてほぼ同じである。最大層厚変化率は両流れにおいてほぼ同じであり、ともに流下距離xに比例する。先端移動速度は明らかに異なり、サーマルではxに依存せず一定であるが、プルーム先端部ではx^<1/2>に比例する。連行係数は、両流れにおいてほとんど一致する。さらに、平成6年度の結果も考慮すると、平均浮力はサーマルではx^2、プルーム先端部ではxに比例し、Overall Richardson数は両流れともに流下方向に一定となることが分かった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 秋山 壽一郎: "保存性2次元傾斜サーマルの流動特性の予測" 水工学論文集. 第40. 555-560 (1996)
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[Publications] 秋山 壽一郎: "保存性2次元傾斜サーマルの流動特性の普遍定量化" 水工学論文集. 第40. 549-554 (1996)
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[Publications] 秋山 壽一郎: "保存性2次元傾斜サーマルと傾斜プルーム先端部の流動特性の比較" 水工学論文集. 第40. 543-548 (1996)
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[Publications] サニット ウォンサ: "傾斜サーマルの流動特性に関する実験的研究" 土木学会第50回年次学術講演会概要集. 532-533 (1995)
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[Publications] 斎藤 俊一郎: "傾斜サーマルの流動特性に関する理論的研究" 土木学会第50回年次学術講演会概要集. 534-535 (1995)
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[Publications] 早川 史郎: "保存性2次元傾斜サーマルと傾斜プルーム先端部の連行係数について" 土木学会西部支部研究発表会講演概要集. 184-185 (1996)