1995 Fiscal Year Annual Research Report
都市化に伴う汚濁負荷量の変化予測と水環境への影響評価に関する研究
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06650569
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Research Institution | NAGASAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
野口 正人 長崎大学, 工学部, 教授 (10026263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 渉 長崎大学, 工学部, 助手 (20253635)
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Keywords | 水環境 / 都市化の影響 / 汚濁負荷流出 / physically-based model / 水質予測 / 数値シミュレーション / 現地観測 / 底泥の再懸濁 |
Research Abstract |
都市化の進展に伴う汚濁負荷量の変化の予測を行い、水環境への影響を評価するために、平成6年度に引き続き、平成7年度も諫早市域で降下粉塵の観測を行った。同様に、本明川ならびに河口部での水量・水質調査をも実施した。これらの結果を基に、水環境への影響評価が可能な数値シミュレーションモデルを作成した。 一般に、好ましい水環境を達成するためには、種々の配慮が必要とされることは良く知られている。そのようなものの一つは、十分な流域水管理を行うことである。このようなことから、本研究では、流域に分布する点源・非点源汚濁負荷の時間的・空間的な変化を把握するために、広く関係機関が共同で利用できる共通の規準でそれらをデータ・ベース化することの重要性が唱えられ、国土数値情報の3次メッシュを利用することの妥当性が述べられた。この種の方法は点源汚濁負荷の評価に有効であるばかりではなく、降下粉塵の観測データを用いて非点源汚濁負荷の評価にも活用される。これらのデータが、研究代表者・分担者によって提案されている都市域雨水排除の汚濁負荷流出量予測のプログラム:NUMEROUS-EXTENDED等の入力データとして利用され、流域の汚濁負荷が水域に及ぼす影響の評価に役立てられることは言うまでもない。 一方、水域の水環境の総合評価を実施するために、まず、本明川で理化学的・生物学的な水質指標の値を実測し、それらが相互に関連していることを示すと共に「多自然型川づくり」の効果の評価を試みた。また、潮汐作用の影響を受ける河口部の水質は、底質とも関連する浮遊懸濁粒子の値に大いに影響されることが示され、その評価式が確率モデルを用いて求められた。また、河川・海域を広く覆う水質評価の3次元数値モデルが作成され、大規模水理構造物が水域に及ぼす影響評価手法が示され、好ましい水環境整備へ貢献することが試みられた。
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[Publications] H.M.M.Tahat,Masato Noguchi and others: "The sensitivity of A Physically-Based Rainfall-Runoff Model to the Physiographic Factors of Real Basin" 水工学論文集. 39. 37-42 (1995)
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[Publications] Masato Noguchi,Wataru Nishida and others: "An estimation of the effects of a nature-friendly levee on the water environment" HYDRA 2000,Volume 4 : The hydraulics of water resources and their development. 405-410 (1995)