1994 Fiscal Year Annual Research Report
直線河道の安定川幅と河道が網状化するメカニズムに関する研究
Project/Area Number |
06650572
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
関根 正人 早稲田大学, 理工学部・土木工学科, 助教授 (60187854)
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Keywords | 河道の側岸浸食 / 河道の拡幅 / 蛇行河川の流路変動 / 網状河川 / 水みち形成 |
Research Abstract |
平成6年度は、主に以下の3点に関する研究を行った。 第一に、直線河道が拡幅をしていく過程に関する実験的・理論的検討を行った。ここでは、特に、拡幅の機構を明らかにすることを主眼に置き、側岸浸食に伴う拡幅過程の数値解析モデルを構築し、これに基づく数値実験を行っている。その結果、側岸の浸食に伴い、河道横断面形状が安定な平衡状態に到達するまでの過程が明らかにされ、あわせて、安定断面が静的ではなく動的平衡状態であることを示した。 第二に、一様湾曲流路を対象にして、側岸浸食とそれに伴う流路変動機構について検討した。これについても数値解析モデルを構築しており、その妥当性の検証も行っている。解析の結果、遠心力に伴い生じる二次流に伴う土砂移動と、側岸部の斜面勾配に起因して生じる土砂移動とから、河道横断面形状が決定され、流路が湾曲部外岸方向にシフトされていく機構が明らかになった。以上の二点については、その成果を論文の形にまとめ、土木学会に投稿済みである。 第三に、河道の網状化の機構を探るための実験的研究を行った。その結果、網状流路の形成に浸透流が重要な役割を果たすこと、水みちの固定化のためには、水位の低下が不可欠てあること、などの興味深い結果が得られた。また、降雨が原因となって山地斜面に水みちが形成される機構を明らかにするために、人工降雨発生装置とモデル斜面とからなる実験装置を用いた実験的研究を行った。研究の結果、斜面上流部からの浸透流の地表への流出(復帰流)が、水みち形成には重要であり、その結果生じるガリ浸食により、水みちの上流端が固定化されること、浸食の際に生産された土砂がその下流側へ堆積し、水みちの分岐を促進すること、などが明らかになった。また、水みちの形成条件についての検討も行ない、興味深い結果を得ている。第三の研究成果については、現在、論文の形にまとめる作業を進めており、近く投稿する予定である。
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