1994 Fiscal Year Annual Research Report
水・土壌系における汚染物質の循環に関する水理学的研究
Project/Area Number |
06650576
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
綾 史郎 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (00026361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 一男 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (20111916)
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Keywords | 浸透流 / 礫床上の流れ / 薄層流 / 拡散 / 分散 / 自然浄化 / 質量交換 |
Research Abstract |
本研究は、表面流と地下水流間の境界面近傍における水・土壌汚染物質の輸送と沈降・吸着機構について、主として浸透性路床における河川流と浸透流の流れ場を対象として理論的、数値水理学的に研究し、河川流と浸透流の自浄・自濁作用の立場より、汚染物質の水・土壌系における物質循環の機構を明らかにし、定量化、モデル化しようとする。 本年度は研究計画の初年度として、表面流と浸透流の境界面付近における流動と土壌表層付近における輸送機構の解明を室内実験、観測結果の収集を中心に進め、その実態を明らかにすることに努めるとともに、それを再現するためのモデル化を行った。すなわち、表面流中の溶存態・浮遊態の汚染物質は表面流と浸透流間の交換流や表面流から浸透流・帯水層を涵養する流れによる移流により、両者の境界である河床の表面付近の土壌や底泥中の水に取り込まれ、河床表面付近の土壌中で汚染物質が沈降・吸着されることにより、表面流・浸透流中の物質濃度が低下することが明かとなった。さらに、研究代表者:綾は、表面流から土壌・浸透流系への流動と汚染物質の輸送機構を分担し、従来の室内実験結果、観測結果を収集し、整理するとともに、境界面近傍における移流と拡散の実態把握とモデル化について研究し、礫、微細砂、シルト等の非粘着性土壌を対象とし、流動と汚濁物質の輸送機構を可視化するための微視的な数値実験モデルを構築した。分担者:青木は、土壌・浸透流系における流動・物質輸送と吸着・脱着現象について研究した。対象土壌として、微細砂、シルト等の非粘着性土壌と粘土、底泥等の粘着性土壌について行った結果、流動と吸脱着の特性がこの2種の土壌について異なることが分かった。
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