1994 Fiscal Year Annual Research Report
地域間産業連関と一般均衡分析のフレームによる物流需要予測モデルの開発とその適用
Project/Area Number |
06650597
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Research Institution | Kyushu Tokai University |
Principal Investigator |
溝上 章志 九州東海大学, 工学部, 助教授 (20135403)
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Keywords | 物流需要 / 産業連関分析 / 一般均衡 / 空間価格均衡 |
Research Abstract |
本研究では、(1)生産量、生産価格、地域間交易パターンを変数とし、それらがすべての産業間で相互依存関係にあり、各財の需給均衡が成立するという一般均衡分析の枠組みの下にモデルは構築される。(2)全国を対象として地域間物流量を直接的に把握できるデータは純流動調査データであり、これと既存統計データとを有効に活用した実用的物流需要予測法の開発をめざす。そのために、(3)利用可能なデータの信頼性やモデルの適用可能性を考慮して、各部分モデルの定式化においては実用的な意義を高めることに主眼をおく。これによって、経済学的理論を意識しつつ、実用性を重視した新たな物流需要予測モデルの一試案を提示した。 (1)の課題については、地域間産業関連分析フレームの中で市場を構成する全ての産業業種の産出する生産物の価格と出荷量の均衡解を得る地域間産業業種間物流需要予測モデルを構築する。地域間産業間の物資のフローはチェネリ-=モーゼス型地域間産業連関表の枠組みにより需給均衡条件を満足させ、総産出量と生産価格はすべての財について利潤=0となるような均衡値として求める。 全国規模の産業間の物資流動量を把握するために利用可能なデータとしては、全国貨物純流動調査しかない。金額ベースの地域間産業連関表を利用する手もあるが、物流需要を取り扱うのであればオリジナルなデータを直接的に使用する方が誤差が少なく、合理的であると考えられる。そこで、提案するモデルのフレームと整合させながら既存統計データを有効に結合してモデル推定のためのデータベイスを作成することを試みた。最後に、1985年のデータを用いて部分モデルを特定化し、トータルテストを実行して提案モデルの現況再現性を検討することによって、課題(2)と(3)の検討を行った。
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Research Products
(1 results)