1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650603
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Research Institution | Yamanashi Univ. |
Principal Investigator |
平山 けい子 山梨大学, 工学部, 助手 (40111778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 公明 山梨大学, 工学部, 助教授 (40107214)
西川 二郎 東京理科大学, 理工学部, 助手 (80120202)
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Keywords | 酵母 / 南極 / 有機性廃水処理 |
Research Abstract |
南極ドライバレイ地域のバンダ湖上層水より分離した低温醗酵性酵母Candida psycrofermentans sp. nov.の好冷性に着目し、低温域における廃水処理への利用および、南極ドライバレイ地域において分離された数種の酵母のさらに詳細な分類学的、生理生化学的検討を試みた。また、回収される菌体の一般成分およびアミノ酸分析を行なった。 分離された8株の酵母は、0〜15℃付近に至適生育温度があり、DNase(+)、アシブチン分解性(+)、醗酵性(lactoseを除く)(+)、硝酸塩の資化性(+)、シクロヘキシミド感受性(+)、澱粉類似物質の生成(-)、生酸性(+)、ビタミン要求性(-)、NaCl耐性(0〜5%)(+)、耐浸透圧性(50%グルコース)(+)、油脂の分解性(+)、エステル生成(-)、ジアゾニウムブルーBによるコロニーの呈色反応(-)、ゼラチン液化試験(-)、ウレアーゼ活性(+)であった。Coenzyme Q systemは、Q8、GC含量は53.0%であった。顕微鏡による観察との結果から、分離された酵母はすべてCandidaの同一新種と同定された。 MLSS初濃度約2200mg/lで、TOC約6800mg/l、Kj-N約640mg/l、Total-P約145mg/lの人工下水を処理したところ、TOC約75〜80%、Kj-N約80%、Total-P約98%の除去率が得られた。濃度を変えた人工下水においても、ほぼ同様の除去率が得られ、また、どの実験においてもTotal-Pの除去率が良好であった。菌体のアミノ酸組成を調べたところ、酸性アミノ酸であるグルタミン酸が11.3%、中性アミノ酸で脂肪族側鎖をもつアラニンが11.3%、グリシンが9.7%と比較的多く含まれていた。また、TOC1gあたりの菌体生成量は0.9g、菌体の窒素含量は約6.7%(粗蛋白換算で約42%)、脂質約12%であり、回収される菌体のバイオマスとしての利用が期待される。
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