1995 Fiscal Year Annual Research Report
損傷を考慮した鉄筋コンクリート建物の耐震設計に関する研究
Project/Area Number |
06650617
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
井上 範夫 東北大学, 工学部・建築学科, 助教授 (50250725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 大樹 東北大学, 工学部・建築学科, 助手 (00225715)
柴田 明徳 東北大学, 工学部・災害制御研究センター, 教授 (30005251)
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Keywords | 損傷 / エネルギー / 弾塑性解析 / 地震動 / 鉄筋コンクリート / 累積損傷 / 強震応答 |
Research Abstract |
1.平成6年度は既往波を対象とし、大地震時における鉄筋コンクリート建物の損傷評価を行ったが、今年度は模擬地震動による解析を行い、一般的特性を明らかにすることが出来た。 2.実際の建物は多層建物であるので、多質点系モデルによる検討も行い、1質点系モデルにより得られた建物全体系としての損傷度との対応関係を明らかにした。具体的には、5層、10層、15層のモデル建物を設定し、まず、等価な1質点系モデルに置換する方法を検討し、このモデルにより、多層建物における代表点の荷重-変形関係および、地震入力エネルギーを、精度よく求め得ることを示した。 3.このモデル建物において、多層建物としての部材レベルの弾塑性地震応答解析を行い、部材での損傷度の1質点系モデルで得られた全体的な損傷度との相関関係を定量的に求めた。 4.以上の検討を背景として、建物の損傷を設計クライテリアとして設定し、損傷レベルを意識して設計を行って行く手法を提案した。この手法では、与えられた地震動の入力エネルギースペクトルに対して、梁部材の目標塑性率を定め、まず等価な1質点系モデルを設定して必要な建物のベースシェアを求める。つづいて、この結果を多質点系へ拡張することにより、多層建物とてしの設計を行うことができる。 5.この提案手法では、地震応答解析を行わずに目標の塑性率を満たす多層建物の耐力を簡便に求めることができ、予備設計手法として有用である。その適合性についても、実際に地震応答解析を行った結果と比較検討して明らかにした。
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[Publications] 堀則男: "鉄筋コンクリート造建物の模擬地震動に対するエネルギー応答性状" 日本建築学会大会学術講演梗概集. B. 521-522 (1995)
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[Publications] 河本慎一郎: "鉄筋コンクリート造骨組の地震時エネルギー応答性状の検討" 日本建築学会大会学術講演梗概集. B. 517-518 (1995)
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[Publications] 堀則男: "鉄筋コンクリート造建物の地震時エネルギー応答性状及び累積損傷を考慮した所要耐力の検討" 日本建築学会論文報告集. 481. 17-25 (1996)
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[Publications] 堀則男: "梁降状型RC造骨組の縮約1自由度系による耐震設計手法の検討" 構造工学論文集. 発表予定. (1996)
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[Publications] Norio Hori: "Inelastic Seismic Design Procedure based on Energy Response Behavior of RC Structures" Proceedings of 11th World Conference on Earthquake Engineering. 発表予定. (1996)