1994 Fiscal Year Annual Research Report
ノンスカラップ工法による建築鉄骨柱梁溶接接合部の破壊に関する非線形破壊力学的研究
Project/Area Number |
06650621
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中込 忠男 信州大学, 工学部, 教授 (60111671)
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Keywords | 非線形破壊力学 / ノンスカラップ工法 / J積分 / 耐震安全性 / 鋼材の靱性 / シャルピー値 |
Research Abstract |
柱梁溶接接合部モデルの破壊実験を以下の手順によって行った。 1.柱梁溶接接合部モデル試験体による破壊実験を行った。 工法の種類は3種類のノンスカラップ工法と通常の梁スカラップ工法の合計4種類、柱形状の種類の種類はH形鋼と角形鋼管の2種類、溶接タイプは柱梁溶接接合部を現場溶接と工場溶接の2種類について破壊実験を行った。 2.接合部モデルと同じ溶接条件で溶接した溶着金属の引張試験・シャルピー衝撃試験・静的破壊靱性(J_<IC>)試験・動的破壊靱性(J_<ID>)試験を行った。 3.非線形破壊力学によるローカルクライテリアの導入する準備段階として、素材及び溶着金属のへき開破壊応力(σ_C)を求めるために、1mmR円周切り欠き付き丸棒試験片で、-196℃時の引張試験を行った。 4.全ての実験を整理して素材の力学的性能と梁スカラップの有無が接合部モデル試験体の変形能力にどのように影響するかを比較検討した。 その結果、ノンスカラップ工法の試験体は脆性破壊しないことが明らかになり、SM490程度の強度の鋼材を用いた柱梁溶接接合部では、ノンスカラップ工法が有効であることが明らかになった。また、溶接欠陥の大きさ,鋼材及び溶着金属の靱性により変形能力が大きく変化することも確認できた。
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